【中国新聞】
2023/09/20
江戸前期の世界地図や勝海舟の詩書など15点を初めて一般公開する企画展「守屋壽(ひさし)コレクションにみる 西洋の古地図と日本」(中国新聞備後本社など主催)が22日、広島県立歴史博物館(広島県福山市西町)で始まる。同市出身でメリルリンチ日本証券元会長の守屋壽さんが同館に寄贈・寄託した収集品のうちの一部を展示し、11月5日まで。
南蛮貿易を通じてポルトガルから入った情報を基に描いた世界地図と人物絵の掛け軸「万国総図・世界人物図」(1645年)を、木版と墨書きで再現した江戸前期の複製品を公開。勝海舟が西南戦争で死んだ西郷隆盛を悼んでしたためた詩書(1884年)も並ぶ。
1804年に長崎へ来航したロシア使節レザノフの滞在の様子を描いた長さ約7メートルの絵巻(江戸末期)などもあり、幕末を中心に西洋世界の影響を受けた室町や明治期の日本の様子を伝える貴重な資料が並ぶ。
15点は守屋さんが今月、同館に調査と展示のため寄託した373点と2020年に寄贈した1350点の中から選んだ。渡部史之主任学芸員(44)は「鎖国時代を挟み、日本史と世界史がどうリンクしているか、資料を通じて実感できる」と力を込める。
絵巻や手紙など計103点を紹介する企画展の特別企画として展示する。10月9日を除く毎週月曜日と翌10日は休館。一般千円、大学生と高校生500円、小中学生350円。同館☎084(931)2513。
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