【renaissance】
2023年7月4日
20年以上の臨床経験の中でさまざまな相談に乗ってきた著者が、いつも頑張っているあなたに贈る、今よりちょっと楽に生きるヒント。※本記事は、仲律子氏の書籍『隣る人 心が弱ったときに開いてほしい本』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。
第一章 目に見えないもの
赤い月
十一月十九日は牡牛座の満月でした。そしてほぼ皆既の部分月食で、赤い月になるようですよ。でも、なぜ部分月食の月が赤く見えるのか不思議です。だって月は影に隠れているわけですから。これは、太陽光が地球の大気中を通過する際に屈折して、わずかながらに月を照らすからだそうです。
そして、光の成分のうち、波長の短い青い光は大気に散乱させられるため、ほとんど月まで届かないそうですが、赤い光は散乱されにくいので、月まで届いて月面を照らすようです。
このように現代では月が赤く見える理由を科学的に説明できます。一方で、昔の人たちは月が赤く見えることをどのように捉えていたのでしょうか。
旧約聖書の記述の中に、空に「黒い太陽と血のような赤い月」が見えた後、巨大な地震が起こったという一節があるようです。この「血のような赤い月」は皆既月食のことで、過去に月食後に偶然大地震が起こった経緯があり、大災害の予兆と信じられるようになったのかもしれません。赤い月は何だか不吉な感じがするのでしょうか。
女性に人気のある石井ゆかりさんはSNSにて、その日の星占いを次のように記しています。月食はいわば「特別な満月」で物事が大きく満ちて状況が変わるみたいなターニングポイント。満月はバケツ一杯の水を抱えて道を曲がるみたいな感じの時間なので、心がたぷたぷ揺れたり、不安定になったりするけど、それ自体は「悪いこと」ではない。流れが変わるその節目。
こんな日はお月見しながら、心をたぷたぷ揺らしてみてください。たぷたぷ揺れていたら、自然に流れが変わるかもしれません。お湯で一杯になった露天風呂に、たぷたぷ浮かんで揺れながら赤い月を眺めている自分の姿を想像しました。とっても気持ちよさそうで、宇宙の果てまで飛んでいけそうな気がしました。
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