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【TSS】広島の「カキ殻」広がる可能性 環境改善の新たな味方に 広島/2023.10.13

【TSS】

2023.10.13

「ソレナニ」今回のテーマは広島の冬の味覚「カキ」です。
今月、水揚げも始まり冬にかけて1年で最も美味しいシーズンを迎えます。
ですが、今回の主役はカキの「殻」なんです。

広島県は生産量日本一を誇る産地。
ということは「カキ殻」も「大量に出てしまう」ということになります。
その量は、なんと14、5万トンも!ですが県内のカキ殻リサイクル率はほぼ100%なんです。
ところが、最近は広島でも「カキ殻」が余っているということなんです。

その理由について県漁連の渡辺専務理事はカキ殻の排出量が増加する一方、リサイクル製品の需要が減っていると言います。
「カキ殻」の受給バランスが崩れているんですね。
どういうことかと言いますと、先ずは「カキの大量死」。
近年、海水温の上昇などで出荷できる大きさに育つ前に死んでしまうカキが増えているんだそうです。
そこで、生産者は歩留まりを高くするためたくさんカキを育てようとします。
その結果、当然、「カキ殻」は増えます。

一方の「リサイクル」ですが県内では「カキ殻」のおよそ9割が家畜の飼料や農作物の肥料になっています。
ところが、ここに影を落としているのが「鳥インフルエンザ」や「国際情勢」なんです。
いったい、どう関係しているのでしょうか。

(VTR)
【広島県漁業協同組合連合会・渡辺雄蔵専務理事】
「(鳥インフルエンザなどが影響し)鶏がこの近年ものすごく減ってる。農業の方もなかなか経営が厳しい。農家の皆さんも安い事業、土壌改良剤を求めるようになってカキ殻事業の需要が落ちている」

(スタジオ)
去年の冬から春にかけて全国的に鳥インフルエンザの流行で「鶏」が減ったため、エサの消費も減りますよね。
加えて、ロシアによるウクライナ侵攻や円安による「物価高」。
天然のカキ殻入り肥料は割高なため経営が厳しい農家は「安い肥料に流れてしまいがち」ということなんです。

【TSSコメンテーター:山内泰幸さん】
「牡蠣殻の新たなリサイクル方法を考えないといけないのかと思う」

その通りです。
「カキ殻」には他にも注目されている特徴があるんです。

(VTR)
「カキ殻」は「炭酸カルシウム」という物質で出来ていて、海底のヘドロから硫化水素を吸着する高い水質改善効果があります。
その特性を活かして干潟の造成事業や海洋環境の改善に役立てようとする動きもあるそうです。
広島市にあるカキ殻の加工業者「丸栄」では、「カキ殻」が硫化水素を吸着させる特性に着目し、新たな商品開発に取り組んできました。

【丸栄株式会社・立木仁常務取締役】
「温暖化が進んでいる中で田んぼの方でガス(硫化水素)湧きが発生しているというのが問題になってます。新しい商品で「カキテツ」という硫化水素の発生で(米の)収量ないし品質が悪くなっているというような問題があり、それを解決できる商品として新しく提案をさせて頂いております。カキ殻、本当にいい素材ですので素材、資源を使っていただけるような提案をどんどんさせていただければと思ってます」

(スタジオ)
カキを食べれば殻はゴミになる。
その殻は資源になる。
素材という話もありました。

【TSSコメンテーター:県立叡啓大学・保井俊之教授】
「素晴らしい。カキ殻は広島の新しい環境に優しいイノベーションの華として注目されている。洗剤、肥料など色んなものがある。これからのイノベーションに期待したい」

広島を代表する食材のカキを美味しく食べて殻を美味しく活用する。
こうした循環型の社会が益々進むと良いと思います。


 

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