【まいどなニュース】

2023.10.09

“鬱のマストアイテム”がSNS上で大きな注目を集めている。

「軽い鬱症状になった時に知り合いから『一つアドバイスがある』と言われ『また頑張れとかかな…』と少しゲンナリしてたのだが『電動歯ブラシと電気シェーバーを買え』と想像の斜め上の内容だったが、何となく購入した。
半年後にかなり改善したタイミングでまたその人にあったのだが『自分が鬱になった時、歯磨きや髭を剃る事すらつらくなったのだが電動だと楽。何より髭を剃って歯を磨けてると、少し気分が良いときに、すぐに外に出やすいから』と言われて、自分もそうだったと納得してあらためて感謝した。」

と自身の体験をつづったのは一般社団法人C＆F協会代表理事のMTさん（@Mocherin）。

電動歯ブラシと電気シェーバー…もちろんそれ自体が鬱を改善してくれるわけではないが、身だしなみを整えやすい環境さえ作っておけば、外出や人に会おうと思った時に動きやすい。この鬱経験者ならではのライフハックに、SNSユーザー達からは

「鬱経験してるのですぐ意味がわかりました。まじで正しい助言。そして歯は大切」
「確かにヒゲが伸びてるだけで外に出にくくなるから気軽に外に出られるようになるのは大きいですね」
「これは一つの真実。わしも抗うつ症状で半年以上休職したが、一つだけ自分に課した事が毎日髭を剃るだった。いつでも復帰出来るように心がけたのではなく、仕事ごときできなかったくらいで、みすぼらし自分になりたくなかった。疲弊した自分の奥底にあった反骨の想いだったと今でも思っている」
「まともであることはかなり凄いことなんですよねぇ」

など数々の共感の声が寄せられている。

投稿者に聞いた

MTさんに話を聞いた。

ーーこのエピソードは。

MT：昔からの友人です。なんでもズバズバいう人なので耳が痛いところがあるのですが、忖度なくまっすぐ相手の事を想って伝えてくれる方です。

ーーこのお話を聞いた際の感想を。

MT：正直「何を言ってるんだ？」と感じました。ただこれは偶然ですが、ふとネットを見たら「電動歯ブラシ、電気シェーバー特集」をしてて、「これも何かの縁かな？」くらいの気持ちで購入しました。

ーー鬱が重い期間、電動歯ブラシ、電気シェーバーが役立ったことは多々あったのでしょうか？

MT：鬱の最中は「役立った」と感じる事はほぼなく、「買ったからには使うか…」くらいの気持ちで使用してました。ただ、気分が上がった時に、購入するまでは「ひげも伸びてるし…」と外に出るのに抵抗があったのですが、「いつでも外に出られる」という感覚があったため、障壁が一つ減っていたと後から感じました。

ーー半年後、お知り合いと再会して話をした際は。

MT：正直「そういうことは先に言え！」と思いましたし、相手にもそう伝えた気がします（笑）。でも、言われていても半年前だと意味が分からなからないか「自分はそんな事はない」と否定してたかもしれません。「弱さ」を見せるのが怖くて、「助けて」が言えないのが、鬱になったきっかけだったように自分で思っていますので。そういう意味では、そんな私の事も理解した上で、単純に「電動歯ブラシと電気シェーバーを買え」とだけ言ったのかもしれません。

ーー投稿が反響を呼びました。

MT：時々バズることがあるのですが、今回はものすごく皆さんからコメントをたくさんもらったのが印象的でした。そして一つ一つ見させてもらう中で、思った以上に多くの人が鬱で苦しんだ経験を持っているのを知ることができました。そんな多くのコメントを読んでいると普段「当たり前」にしていることが、実は相当に自身に負担をかけて頑張ってやってることなのではと感じました。歯を磨くこと、ひげをそること、時間を守ること、相手を思いやること、深く考えること、元気に生きること…みんなが日常やってることって、当たり前と思っているけど、実はほんとにすごいことなんだと改めて実感しました。

私は心理学のタイプ論ベースのコミュニケーションの講座をやっているのでわかっていると思っていたのですが、多くの生の声を聴くと、やはり全然違いますね。

◇　◇

もし鬱症状を感じている方は、身だしなみを楽にするアイテムの購入を検討してみてはどうだろうか。

なお今回の話題を提供してくれたMTさんは心理学のタイプ論ベースの対人関係・コミュニケーション講座「TRUE COLORS JAPAN」を主催。「コミュニケーション」と言われるとふつう接する相手の事を考えがちだが、まずは自分を知り、その上で相手を知ることでその違いを活かしていこうという趣旨のワークショップ形式の講座ということだ。ご興味ある方はぜひ公式ホームぺージなどチェックしていただきたい。

MTさん関連情報
Xアカウント：https://twitter.com/Mocherin
「TRUE COLORS JAPAN」：http://truecolorsjapan.jp/about/