【毎日新聞】
2023/10/28
社会保険労務士向けの業務効率化サービスを展開する「KiteRa」(東京都港区)は、トラック運転手の残業規制強化に伴う「2024年問題」に関する実態調査の結果をまとめた。回答した運転手のうち約3割が「(24年問題を)知らない」といい、一部に理解が進んでいないことがわかった。
調査は9~10日、20代以上のトラック運転手の男女600人を対象にインターネット経由で実施した。その結果、回答者の34%が「物流の2024年問題を知らない」と回答した。また、77%が「勤務先の研修や説明会などが何も行われていない」と答えた。
また、回答者の1割弱が月80時間以上の時間外労働をしていることもわかり、現状のままでは上限規制に違反する可能性が高いケースが一定数に上りそうな懸念も透けて見えた。
時間外労働が発生する原因を聞くと、人手不足や仕事量の多さ、残業が当たり前の環境であることなどが回答数の上位に入った。また、回答者の約6割が勤務先の就業規則を見たことがないとした。
24年問題に備え、働きやすい環境づくりやコンプライアンス(法令順守)意識の向上など、トラック業界の課題解決が急務といえそうだ。【袴田貴行】