周産期医療充実へ NICUなども整備 産婦人科病床3倍へ

そして、市民病院が力を入れていくのが周産期医療です。周産期医療とは、妊娠22週以降の妊産婦の母体や、生まれて7日未満の新生児に緊急事態が生じた時に対応する医療体制のことです。

市民病院ではこれまでハイリスクな処置が必要な場合は、岡山県側の病院へ搬送していました。そのため、よりハイリスクな処置にも対応できる「総合周産期母子医療センター」を、県東部の病院では初めての指定を目指して整備します。

建て替えに合わせて「周産期母子医療センター」を新たに設置し、「新生児集中治療室(NICU)」や「新生児回復室(GCU)」も整備します。産婦人科病床を現在の10床から30床に増やす方針です。

福山市 高倉範尚 病院事業管理者

「年間30件近くの圏域外搬送があって、岡山大学の支援を得ながら、現在の医療体制に比べ、より高次の周産期医療体制を構築していく」

新本館の整備費は272億6300万円に上ります。医療行為を継続するため、工事は1期・2期に分けて進めます。1期工事は2026年春ごろに完成予定で、2期を含む全体の工事では2033年3月末の完成を予定しています。

市民病院は地域に果たす役割が一段と増す病院へと姿を変えていきます。