【president】
2024/02/23
※本稿は、越川慎司『時短の一流、二流、三流』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。
「1on1」の業務報告は部下のモチベーションを下げる
1on1の時間は、多くのマネージャーとリーダーにとって、「時間がかかるけど重要なコミュニケーション手段」ととらえられがちです。しかし、本当に効果的な1on1の進め方、そしてその「時短」について考えたことはありますか? 本稿では、1on1の際にありがちな失敗と、その解決策をご紹介します。
1on1の際に、一方的に話すリーダーがいます。しかし、管理職が新人との1on1で、ほとんど自分が話して終わってしまっては、新人には何も伝わりません。具体的な指示、プロジェクトの方針などを伝えても、新人はただ聞くばかりで当事者意識を持てません。管理職は「しっかりと伝えた」と安堵するかもしれませんが、新人は自分の声が届かないと感じ、徐々にモチベーションを失っていきます。
「自分が話す時間と聞く時間はほぼ半々」というバランスを保つ人もいます。あるリーダーは若手メンバーとの1on1で、自分も話しつつ、相手にも話をさせようと心がけていました。ただし、リーダーが話す内容は、主に業績やKPIに関することがほとんどです。メンバー個人の成長や問題点にはあまり触れなければ、個々の成長が見込めません。
218社6785名を対象にした調査により、1on1で業務報告だけをすると、メンバーのモチベーションが大幅に下がることが分かっています(*1)。
(*1)クロスリバー社調査、2021年5月~2023年3月