【hread】
2024.07.25
因島の海の中を撮影した映像です。
海の底に生えているのは、海草の一種「アマモ」。
魚の隠れ家や産卵場所になることから、“海のゆりかご”とも呼ばれています。
このアマモが環境問題を解決する、1つの手段として注目されているんです。
アマモ
海草の専門家、福山大学の山岸幸正教授は、「ブルーカーボンと呼ばれるものの一つ。温室効果ガスの二酸化炭素を吸収して体にため込む働きがあるので、地球温暖化を緩和する役割が期待されている」と話します。
福山大学 山岸幸正教授
アマモなど、海の植物は、地上の植物と同じように大気中の二酸化炭素を光合成によって取り込み、貯める働きがあります。
海の植物が吸収した炭素のことを「ブルーカーボン」と呼び、地球温暖化を食い止める手段として、期待が寄せられているんです。
ブルーカーボン
しかし近年、海水温の上昇などが原因で、瀬戸内海のアマモは減少しているといいます。
そんな中、福山大学ではアマモを増やす技術の開発に取り組んでいます。
福山大学のアマモ調査
2年前から始まったこの取り組み。
ポイントになったのは、実験に使うアマモの種の確保です。
6月から7月頃に種をつけ、夏が終わる頃には枯れてしまうアマモ。
種を採取するタイミングが重要になります。
福山大学では、初夏に種のついたアマモを集め、水槽につけて種を成熟させる方法を採用しました。
水槽のなかで種を成熟させる
種は成熟するとアマモから落ちていき、袋の底にたまります。
この種を集めて回収しています。
アマモの種
今年は5,000個の種を集めることが目標。
冬には海にまいて、アマモの発芽や生育状況を観察していく計画です。
採取した種
注目を集める「ブルーカーボン」。
福山大学では今後、尾道市や漁協とも連携をしながら、アマモ場(ば)の保全や再生にも取り組んでいこうとしています。
広島ホームテレビ『ピタニュー』
地球派宣言コーナー(2024年7月24日放送)