【tokyo】
2024年6月2日
現行の健康保険証の廃止まで、あと半年となりました。ただ、マイナンバーカードとひも付けた「マイナ保険証」の利用は低迷しています。12月2日以降、新規に保険証の発行が停止されると、どうなるのでしょうか。(デジタル編集部)
◆最長1年は現行の保険証も有効
Q 廃止されると、マイナ保険証がないと病院や薬局で受診できなくなるのでしょうか。
A そんなことはありません。発行済みの保険証は最長1年間有効と見なす経過措置が取られます。現行の保険証を使っている人は、有効期限が切れるまで引き続き使えます。
Q 現行の保険証の有効期限が切れたら、マイナ保険証がないと受診できなくなるのでしょうか。
A マイナカードを持っていない人や持っていても保険証とひも付けていない人には、現行の保険証の代わりに「資格確認書」を交付します。わざわざ新たな書類を発行することに、医療現場からは「現行の保険証を残せば済む話」との批判もあります。
◆代わりに「資格確認書」で受診可能
Q 資格確認書をもらうには申請が必要ですか。
A 政府は、マイナ保険証を持っていない人には全員、申請がなくても交付するとしています。
Q 資格確認書はいつまで発行されますか。
A 政府は「当分の間」としています。厚生労働省保険局は、マイナ保険証の普及状況にもよるとして具体的な時期を明言していません。
Q なぜ政府は現行の保険証を廃止し、マイナ保険証に一本化しようとしているのですか。
A 医療のデジタル化の推進と、普及率が低迷していたマイナカードの取得を加速させるためです。
Q マイナ保険証になると、どんなメリットがあるのですか。
A 政府は、マイナ保険証で受診すれば、医師らが過去の処方薬や受診歴を簡単に把握でき、医療の質が向上すると強調しています。ただし、利用率は4月で6.56%にとどまっています。個人情報の漏えいを不安に思う人や必要性を感じない人が多いことの表れといえます。
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