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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei) PHOTO: photo AC
まぎらわしい交通ルール! 一時停止は必ず守ろう
ドライバーがうっかり交通違反を犯しがちな代表例として挙げられるのが、一時停止不停止による違反です。交差点や合流で、歩行者もいないしクルマも来ていないので、止まらずに行っちゃえ! という油断から事故につながる大変危険な違反と言えます。一時停止の交通ルールについて改めて復習しておきましょう。
歩行者が横断帯を渡ろうとしているときは一時停止
一般道でよく目にする「止まれ」の道路標識や路面表示。常識あるドライバーならば確実にクルマを停止させ、左右の安全を確認したうえで再発進しているはずだ。しかし自宅の近くなどの走り慣れた道だったり、明らかにクルマや歩行者がいないときは、油断して停止せずに通過してしまった、なんて経験を持つ人は意外に多いだろう。
また一時停止する場所は上記の標識や表示だけと限らず、点滅している赤信号や踏切の手前など多岐にわたっている。近年にわかに注目を浴びているのは横断歩道や自転車の横断帯。歩行者や自転車が横断しているとき、もしくはしようとしているときは、手前で一時停止し道を譲るという本来のルールが改めて周知されている。
停止時間は端折らず、停止位置はしっかり確認
他にも交差点の付近で救急車や消防車に道を譲るときや、老人や幼児が通行や横断しているときなど色々あるため、まずは一時停止すべき場合を正しく把握することが大切だ。では停止する時間や位置に決まりはあるのだろうか。
道路交通法に一時停止すべき時間の決まりはなく、車体が完全に静止すれば問題ないと解釈できる。ただし一時停止させる最大の目的は安全のため。よほど見通しのいい交差点なら別かもしれないが、一瞬の停止で安全が確認できるとは考えにくい。そのため停止した時間があまりにも短いときは、違反となる可能性が十分にあるので要注意だ。
そして停止する位置は「道路標識等による停止線がある場合はその直前、道路標識等による停止線が設けられていない場合にあっては、交差点の直前」と定められている。つまり停止線を越えるどころか踏んでいても、一時停止とは認められないという解釈だ。では踏切ならどうか。ごく一部の例外を除き警報器や遮断機が作動していなくとも一時停止が義務とされており、渡った先に自分のクルマが進めるだけのスペースがなければ踏切内に進入してはいけない。
なお教習所では停止したうえ窓を開けて耳でも確認と指導され、怠ると検定で大きく減点されるが、道路交通法にその義務はなく、窓を閉じたまま通過しても当然ながら違反にはならないのだ。一時停止しなくてもいい例外は信号機がある踏切で、そこが青なら停止せず通過してもOK。道路交通法の第三十三条に
「車両等は、踏切を通過しようとするときは、踏切の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ)で停止し、かつ、安全であることを確認したあとでなければ進行してはならない。ただし、信号機の表示する信号に従うときは、踏切の直前で停止しないで進行することができる」
と書かれているとおりだ。
アメリカでは一時停止が禁止⁉︎
一時停止すべき場所と静止すべき時間や位置、一部の例外については分かってもらえたと思う。では誰もが気になる違反したときの反則金と点数はどうか。まず道路標識や道路表示などによる一時停止を怠った「指定場所一時不停止等違反」は、点数が2点で普通車の反則金は7000円(大型車は9000円で二輪車は6000円)とされている。いっぽう踏切の直前で一時停止しなかったケースは「踏切不停止等違反」となり、点数は同じ2点だが反則金は普通車で9000円(大型車は1万2000円で二輪車は7000円)だ。
なお海外では日本のルールと真逆な場合もある。例えばアメリカでの踏切。大型車は日本と同じく一時停止しなければならないが、他の車両は一時停止が「禁止」されているのだ。日本と同じ感覚で止まると追突されてしまう恐れがあるので、もしアメリカでステアリングを握る機会があれば気を付けよう。