秋季特別展「幕末、激動の福山藩~その破~青年宰相 阿部正方」
1848年、江戸に生まれた阿部正方は、兄の早世により14歳で阿部家9代藩主に就任します。しかし時は動乱の幕末、福山藩もその渦中に飲み込まれていきます。
正方はわずか16歳で京都守衛、その後も第一次長州出兵、そして1865年の第二次長州出兵では山陰へ出陣するなど激動の人生を送ります。結果、幕府は敗北し正方も福山に撤退しますが、病のため20歳で亡くなります。長州藩が進軍する中、福山藩は危機を迎えるのです。
左の阿部正方所用紺絲(こんいと)威(おどし)胴(どう)丸(まる)童(わらべ)具(ぐ)足(そく)は正方所用の童具足です。大名家において、元服(げんぷく)の際に制作された子ども用の甲冑で、正方14歳のものと伝来しています。本来、甲冑の胴高は30cmほどですが、この童具足は20cm程度しかなく、全体的に小ぶりです。しかし兜(かぶと)には金銅製の鍬形(くわがた)と獅噛(しかみ)が挿され、また全体は黒漆で整えられ、重厚感と共に絢爛(けんらん)な印象を受けます。
この他にも同展では、書状・絵図などで幕末の福山藩について紹介しています。(同展は11月17日(日曜日)まで開催しています。)
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