【withnews】過疎化のまちの市議選、なぜ10人が新たに立候補?全員に話を聞くと…
宮城県栗原市の市議選 投開票の結果は
定数が減ったものの…30人が21議席を争う構図
これは、市長選と同じ日程(4月20日告示、27日投開票)で行われる市議選のことを指していました。
すぐに調べてみると、確かに熱い。栗原市議会の議員定数は3議席減って21議席に対し、新顔10人が立候補を決断していました。
現職18人、前職2人を合わせると計30人が21議席を争う構図となっていました。
地方議員のなり手不足が全国各地で叫ばれる時代です。直近3回の栗原市議選を見ても、定数よりも2~3人多い候補者数だったことを考えると、明らかに何かが起こっていると感じました。
「地元戻って20年以上、いまだに若手と呼ばれる」
高齢化率は42.6%と県内で3番目に高く、昨年度の出生数は174人と10年で半分以下になりました。
そんなまちで、なぜこんなにも熱い戦いが――。新顔10人全員に、立候補する理由を聞きました。
「地元に戻ってきて20年以上になるが、いまだに若手と呼ばれます」
そう危機感を持っていたのは、トップ当選を果たすことになる長谷川敬さん(50)。市内で新聞販売所経営に20年携わっています。
「市議の現職に民間人が少なく、年齢的に今しかない」と出馬を決めたそうです。
議員になることは考えていなかったそうですが、仙台市のベッドタウンとして発展する富谷市とは全く逆の状況に、いても立ってもいられなくなったといいます。
「なんとか変えたい」自ら動き出した人びと
市とはいえ、過疎のまちに、行動力のある人たちがこれほどいるのかと驚きました。

4月27日に投開票された栗原市長選と市議選の開票のようす
「いま動いても、結果が出るのに10年はかかる」と新顔の1人が話した通り、簡単に街の状況が変わるわけではありません。
ただ、定数の4割近くを新顔が占めることになります。政治の世界とこれまで縁のなかった人たちの一歩は、きっと街を変える――。そう感じさせてくれた選挙戦でした。