福山市市民活動スタートアップ事業補助金は，市民活動団体の始業期における活動を円滑に実施できるよう支援することで，公益的な社会貢献活動を促進することを目的とした補助制度です。
今年度は，５団体が交付を受け，地域課題の解決や地域活性化，魅力創出につながる事業を実施しました。
各団体の活動の様子を紹介します。

サイクリングの魅力を発信　【一般社団法人せとうちPEDAL Life】

「せとうち PEDAL　Life」は，自転車に乗ること自体の楽しさを通して地域の活性化や生活の向上を提案する団体です。
昨年から国内外の観光客をターゲットとしたeバイクのレンタル事業を開始しました。自転車よりも長距離を簡単に走破できるeバイクを使い，リノベーションにより再生の機運が高まる駅前と鞆の浦や田尻町などの他のエリアをリンクさせることを狙いとしています。
また，「しおまち（潮待ち）観光MaaS」の実証実験の中で，eバイクと路線バスを利用した福山駅・鞆の浦を往復する旅行プランにも参画しています。

　しおまち（潮待ち）観光MaaSの実証実験の様子

多文化共生のまちづくりを担う体制づくりをめざして【びんご日本語多言語サポートセンター「びるど」】

市内には多くの外国人市民が暮らしていますが，言葉や文化の壁など，安心して暮らすにはまだ環境面で課題があります。
びんご日本語多言語サポートセンター「びるど」は，市民が自分たちのスキルを活かして支援するとともに，多文化共生の理念を広めようと2019年に設立されました。
外国人市民と地域社会をつなぐ中間的組織となるべく，まずは情報発信の事業に取り組んでおり，外国人メンバーとともに，どんな情報を知りたいか，どんな方法で情報を届けるのがいいのかなど協議を重ねています。

　活動の様子

「誰故草（たれゆえそう）」（エヒメアヤメ）の保護に取り組む【福山・誰故草愛好会】

「誰故草」（エヒメアヤメ）は，春日町宇山に自生している春に紫色の花を咲かせるアヤメ科の花で，市の天然記念物に指定されていますが，絶滅が危惧されています。
「福山・誰故草愛好会」は，「誰故草」の美しさを多くの人に知ってもらい，後世にこの花を引き継ぎたいという思いで，宇山自治会や長寿会の皆さんと一緒に下草刈りなど環境整備に取り組んでいます。
今年度は会の活動を知った大分県杵築市の豊洋小学校に種や苗を寄贈するなど，取り組みは市内だけでなく，全国に広がっています。
世良代表は，「春になり，観賞園をはじめ，市内のあちこちで誰故草の花が咲いているのを見るのが楽しみです」と話しています。

　大分県杵築市の豊洋小学校に種と苗を寄贈

オンラインで防災をもっと身近に【ボウサイズ】

「ボウサイズ」は，「防災を，もっと身近に。」をテーマに，防災講座や着衣水泳教室，心肺蘇生講習などの活動を行っています。
今年度から対談型オンライン防災と題して，ビデオ会議システムを使ったゲストとの対談をＳＮＳで生配信しています。また，被災を想定した，ポリ袋でお米を炊くなどのサバイバル術も配信しています。
普段の生活の中では「防災」をあまり意識しないため，オンライン配信を通して市民の皆さんに防災を身近に感じてもらい，興味を持つきっかけになって欲しいという願いを込めて活動しています。
今後，オンラインでの心肺蘇生講習や講演会なども予定しています。

　オンライン配信の様子

プレイリーダーの養成をめざす【歩人舎】

子どもにとって外遊びをする事は食事と同じように重要な事と言われていますが，近年外遊びをする機会が少なくなっています。「プレイパーク」「冒険遊び場」といった，自然の中で子どもたちが楽しめるイベントは備後地域でも多数開催されていますが，イベントで子どもたちを見守り，相談を受けるプレイリーダーはまだまだ不足している現状です。
「歩人舎」は，プレイリーダーに必要な理論やスキルを身に付けるための講習を行っています。
今年度は，保護者や地域の人々及び市内大学生と共に学習するため，12月5日に日本冒険遊び場づくり協会の理事を招き，講演会を開催しました。

　講演会の様子

まちづくりサポートセンターは，まちづくりに関わる団体を応援しています。皆さんもNPOや市民活動団体を立ち上げ，仲間とともに魅力あふれるまちづくり活動を始めてみませんか。

市民活動スタートアップ事業補助金交付団体からも塾生として参画している「福山未来共創塾2020」。3月13日（土）には，SDGsの観点から社会をより良くする共創プロジェクトの成果発表会を開催します。興味のある方は是非ご参加ください。

詳しくはこちら↓
https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/site/mirai-kyousoujuku/