【merkmal-biz.jp】
2022.10.28
検挙件数、10年間で4000件→2万5000件
免許が不要で便利な乗り物といえば、自転車が真っ先に思う浮かぶだろう。昨今は電動アシスト自転車も普及し、その速達性は大きく向上している。
多くの人にとって欠かせない移動手段となっている自転車だが、免許が不要のためか、違反行為をしていることに気づいていない人も多い。そこで、どのような行為が違反となるのかまとめる。
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警察庁のウェブサイトによると、自転車の違反件数が増加傾向にあるとして、取り締まりを強化している状況がうかがえる。2011(平成23)年に3956件だった検挙件数は、2020年に2万5467件に激増した。
背景には、今まで明確に罰金を徴収する仕組みやあるいは本人確認が困難なことから、取り締まりを厳しく行えてこなかったことがあるようだ。このたびの強化は、マイナンバーカードの整備や自転車保険の加入義務などにより、本人確認が可能になる仕組みができたことと連携していると考えるのが自然だろう。
自転車の事故件数自体は、2011(平成23)年は14万4062件、2021年は6万9694件と、半減している。
しかしながら、自動車などを含めた事故の件数はそれ以上に減っているため、2011年で事故全体の20.8%だった自転車事故が、現在は22.8%と、その割合はむしろ増加しているというのが実情だ。
自転車の取り締まりに関しては、2000年初頭から厳しくなると言われ続けてきた。そして、事故件数の絶対数に注目して見れば、効果があったと言えるような結果になっている。
しかしながら、誰でも乗れるという気軽さも相まって「注意で済む」「これくらいいいだろう」と違反を繰り返すユーザーが少なからずいたのもまた事実だろう。
そのため、他の交通事故の減少具合と自転車事故の減少具合を比較したうえで、さらなる対策が必要と判断したのが、このたびの取り締まり強化にもつながっていると想像される。
言うまでもなく公道は公共空間であり、どのような乗り物に乗るときであれ(また徒歩の際も当然ながら)守るべきルールを熟知しておくべきということは、あらためて認識したい。
全部言える?「自転車安全利用五則」
自転車には「安全利用五則」というものがある。違反行為が何かを確認する前に、ルールの基本となる部分を頭に入れておくと良いだろう。
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1. 自転車は車道が原則、歩道は例外
道路交通法では、自転車は軽車両と位置付けられている。そのため、車道と歩道が区別されていれば、車道を走行するというのが原則だ。
2. 車道は左側を通行
自転車は道路の左側を通行することとなっている。前述のように、自転車は軽車両という車のため、右側を通行すれば、それは逆走に該当する。
自転車なのに、人力なのにと考える人もいるかもしれないが、人力車も立派な軽車両だし、リアカーも同様だ。人力の乗り物は他にもある。
自転車だけが特別なわけではないということは、十分に理解したい。
3. 歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行
歩道を通行する場合、車道寄りを徐行しなければならない。歩行者優先のため、自転車側に一時停止の義務が発生する。
徐行とはおおむね時速10km以下を指すことが多く、1m以内で停止可能な速度とされることが多い速度だ。
近年の電動アシスト自転車ではあっという間に速度オーバーとなるような速度であり、また車両が重いアシスト自転車は停止までの制動距離が長くなる。
傘差し運転、イヤホン使用も違反行為
4. 安全ルールを守る
飲酒・ふたり乗り・並んでの走行・夜間の無灯・一時停止・安全確認を怠るなどは当然のこと、傘さし運転・スマホ使用・イヤホン使用なども含まれる。
自動車にも安全運転義務違反という言葉があるが、自転車にも似たような原則がある。平たく言えば、交通ルールを守るということだ。
5. 子どもはヘルメット着用
幼児・児童の保護者は、子どもを座席に乗せる際、また運転させる際には乗車用ヘルメットをかぶらせるようにする。
近年、ヘルメットの着用をする習慣が少しずつ根付きつつある。例えば、電動キックボードはヘルメットをかぶった方がいいという声が多いが、それと同等の速度の出る自転車でも、ヘルメットを着用した方がいいのは当然と言える。
具体的な「違反行為」10種とは何か?
警察の発行する自転車指導警告カードによれば、違反となる10個の項目が以下のように記されている。
1. 飲酒運転
2. 信号無視
3. 一時不停止
4. 並進
5. 右側通行
6. 無灯火
7. 傘差し
8. 携帯電話使用
9. ヘッドホン使用
10. その他