【読売新聞】
2022.11.27
【台北=鈴木隆弘】台湾の22市県の首長らを選ぶ統一地方選は26日、投開票された。 蔡英文 総統率いる与党・民進党は、焦点だった首長ポストの獲得で改選前の7市県に届かず、大敗した。総統の任期を1年半残す蔡氏は敗北の責任を取るとして、党主席については辞任を表明した。
首長選の投開票は、6の直轄市と15の県と市で行われた。テレビ局TVBSの選挙速報(日本時間26日午後10時15分現在)によると、民進党は高雄市や台南市で勝利し、5市県を獲得したが、基隆市を8年ぶりに失った。改選前に14市県を有した最大野党・国民党は、台北市と桃園市など13市県を得た。台湾民衆党は新竹市で初めて勝利した。
嘉義市長選は、候補者の死去に伴い、投票が12月18日に延期された。
蔡氏は26日夜に民進党本部で記者会見し、「すべての責任を取る。こうした結果を招いたことを反省すべきだ」と述べた。民進党は、「中国に抵抗して台湾を守ろう」と呼びかけたが、人物重視で選ぶ傾向のある地方選では、中台関係を巡る訴えは広がりを欠いた。
地方選は2024年の次期総統選の前哨戦に位置づけられる。総統が連続2期目の蔡氏は出馬できず、 頼清徳 副総統を軸に後継候補争いが激しくなりそうだ。