【メ~テレ】
2023年4月18日
自転車には、「盗難防止検証中」という文字と、レーダーのようなイラストが書かれたタグが取り付けられています。
これは、愛知県警の自転車の盗難防止対策の1つです。
「愛知県ではこれまで減少傾向であった自転車盗が去年から増加に転じている。今年も4割以上、前年同期比で増加している」(愛知県警生活安全総務課 中川元宏課長補佐)
県内での自転車の盗難は、去年1年間で8654件。1日平均24件発生しました。
そこで、1月からの3カ月間、盗難が多発していた県内4カ所の駐輪場で、無施錠の自転車にこのタグを取り付けました。
すると前の3カ月間と比べて、盗難数が8割ほど減少しました。
自転車に付けられたタグ
「『もしかしたら誰かに見られているかもしれない』『何かやっているかもしれない』と思わせることで、軽い気持ちで『自転車を盗んでしまおうかな』と思っている人に盗んではいけないと訴えている」(中川元宏課長補佐)
これは「人の好奇心をうまく利用する仕掛けを使って人の行動を変える」という「仕掛学」の効果を活用したものです。
今回のタグは「仕掛学」の第一人者である大阪大学の松村真宏教授の協力を得て作られました。
「悪いことをしようと思っている人は『誰からも見られない所でしたい』と思っている。『ひょっとして見られているかもしれない』と思わせることができれば抑止につながる」(大阪大学大学院 松村真宏教授)
愛知県警では、これまでにも「仕掛学」を使った取り組みを行ってきました。
スーパーの床に「仕掛学」のステッカー
商品棚の前にはイラストとともに「防カメピント調整中」と書かれています。
防犯カメラの存在を意識させ万引きを思いとどまらせるのが狙いです。
「仕掛学」は効果がある一方で今後の課題もあります。
「仕掛けの効果はずっと続かない。タグでも新しい状態なら最近付けたことが分かるが、古くなってボロボロになってくると効果がなくなってくる、バレてくるので、そういう意味では定期的に付け替えたりデザインを変えたりすることが必要だと思う」(松村真宏教授)
「各警察署でも自転車盗が多発する駐輪場で実施に向けて検討してもらっている。全国の警察にも情報共有して7府県から問い合わせをもらっている。引き続き成果を上げてくれると期待している」(中川元宏課長補佐)
鳥居のイメージが効果
不法投棄やポイ捨てに対する実験です。
路地の塀などに「あるモノ」を置くだけで、心理的にごみを捨てにくくなります。
一体なんでしょうか?
正解は「鳥居」です。
松村教授によると、多くの人にとって「鳥居は神聖なもの」というイメージがあるため、ポイ捨てなど、ネガティブな行動をしなくなる効果が期待できるそうです。
ごみをシュートするイメージ
正解は、バスケットボールのゴール。
松村教授によると、ごみ箱をただ設置してもごみを捨てたくなりませんが、バスケットゴールがあることで、ごみをシュートしたくなり、ごみ箱の利用促進に繋がるそうです。
ファイルの背表紙にライン
(4月18日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)