【MBSニュース】
2023.6.5
大阪市の中で外国人住民が一番多い生野区(2022年12月末時点で2万7480人)に、在籍児の半数が外国籍だという保育園があります。言葉や文化・習慣が違う子どもたちをどうサポートしていくか…。苦悩や課題を抱えながら、新たな取り組みも進める現場に迫りました。 【写真で見る】『子どものアレルギーの有無』を聞きたいが、質問が保護者に通じない…今年春からは「通訳も兼ねる保育職員」を採用
言葉も文化も違う児童・保護者 配布物には『韓国語やベトナム語も記載』
大阪市生野区にある認可保育園「生野こもれび保育園」。朝の定番「おはようのうた」は、日本語に加えて、ベトナム語・韓国語・中国語で歌い上げます。 保護者に配るプリントも、行事予定が各国の言葉で表記されています。 (生野こもれび保育園 辻本慶子園長) 「在籍している子どもの母語です、行事予定だけは覚えてほしいので。遠足の日に『知らなかった』では困るので。保護者の方がほとんど日本語が読めない。漢字は特に読めないですから、ルビを打つようにしています」 こうした対応を始めた理由。それは、在籍する園児88人のうち、半数の44人が外国人だからです。さらにこの2年で一気に増えたのがベトナム人家庭の子どもたち。いまでは園児の4割を占めるといいます。 (1歳児を担当する保育士) 「前に私がいた保育園でもここまでベトナムの人は…。初めてなので、どうコミュニケーションとるのか考えていこうかなと」 (1歳児を担当する保育士) 「言葉の壁はあると思いますね。先生が何を言っているかもわからないし。でもやっぱり日本に慣れてもらわないといけない」 言葉の違いに習慣・文化の違い。保育士や職員には“子どもを保育するだけではない対応”が求められています。
保護者との『言葉の壁』も 橋渡し役を担う「保育職員」兼「通訳」
今年3月、春から園に通う子どもたちの保護者への説明会が行われていました。ベトナム人のフェン・チャンさんは、4月から「保育職員」兼「通訳」として採用されました。1歳児の新園児の7割がベトナム人(4月1日時点)。これまでの体制では十分な対応が難しいからです。 【説明会の様子】 (職員)「おやつは食べますか?」 (保護者)「…」 (職員)「おやつ…3時とかにお菓子。ご飯じゃなくて、ご飯とご飯の間におやつ。わかる?」 (保護者)「(うなずく)」
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