アメリカ大手運送会社イエローグループは、7/30日曜日に経営破綻し操業を停止したうえで、それと同時に約3万人の労働者が職を失ったということです。イエローグループは、約12,000台のトラックを持っているようですが、トラックは毎日約 10 件の集荷・配達を処理しているようです。(平均)
単純に明日から毎日約12万件の配達が来なくなるということになり、さらに120,000 件のピックアップは行われなくなりますが、それにかわる事業者はすぐには見当たらない状態のようです。
つまり、店舗は商品を入荷できなくなり、工場は原材料や部品を入手できなくなります。当然完成品を発送することもできない状態がしばらく続くということになります。
このことが米国経済とサプライチェーンにどのような影響を与えるかは、誰にでも簡単に想像できるでしょう。
米政府が超法規的?な措置かなにかでもしない限り、連鎖的に深刻な経済問題につながる可能性もあります。
日本においても物流・建設業界への2024年問題による経済への影響は他人事ではありません。(K)
日本において商品販売PRに「配送費無料」という「わけのわからないキャッチコピー」をあらゆるところで目にしますが、その物流コストは「9割以上の中小零細の物流業者」が「労働力の正統な対価からの搾取」というそのしわ寄せの大部分をうけています。
「『金(カネ)』があればなんでも自分の思うとおりに希望がかなう」いう間違った消費者心理を生み出した原因には、市場の需給バランスが大きく崩れた結果、激しい競争原理によって生み出されたこともその一つにありますが、鈴木先生の「今だけ、金だけ、自分だけ」による歪んだ心理状態は、本来持ち合わせている「人が人らしく生きる人間性」を著しく損なうことにもつながり、結果的に社会全体のモラル低下につながります。
世界はそう遠くない時期に「不換紙幣」に人生を振り回される恐ろしさと無力さを痛感することになるかもしれません。そうなった時に「人と人の心のつながり」があらためて見直されることになるのでしょうか?しかし、仮にそうなったとしてもその時には「時すでに“お寿司”」のような気がします・・・。(N)
【ダイヤモンド】
2023.7.31
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米最古で最大のトラック運送会社の1社であるイエローは30日に営業を停止した。一連の合併によって負債を抱え、全米運輸労組(チームスターズ)との対立で行き詰まった。 99年の歴史を持つイエローは割安価格で知られ、1万2000台余りのトラックで小売りチェーン大手ウォルマート、ホームセンター大手ホーム・デポや多くの中小企業のために全米で貨物を運んでいた。同業他社を飲み込み、労働組合の譲歩を得、政府の救済策を確保したにもかかわらず、顧客に一貫したサービスを提供できず、投資家に利益をもたらすことができなかった。 同社は顧客と従業員に、全ての業務を30日正午に停止すると通知した。