2021/9/15 22:53(中国新聞デジタル)
福山市は15日、同市丸之内の福山城で宿泊体験する「城泊」の候補地を月見櫓(やぐら)として本格検討していると明らかにした。築城400年を迎える来年度中に実現させる方針で、年度内に企画をまとめる。同日の市議会一般質問で説明した。
月見櫓は明治初期に政府の廃城令により取り壊され、1966年に天守と合わせて再建された。キッチンやトイレを備え、これまでイベントなどの貸し館として活用。昨年10月から耐震化工事をしており、来年8月28日にリニューアルオープンする予定だ。
市によると、観光庁から昨年度派遣された専門家が、JR福山駅に近い立地条件などから福山城が「城泊」に適していると評価。また、耐震改修を終えた月見櫓が城泊に活用しやすいとの助言もあったという。城泊には伝統芸能や歴史文化の体験も取り入れる方針で、本年度中に具体的な内容を検討する。
この日の市議会一般質問で、市の岩本信一郎文化観光振興部長は「日常では体験できない城ならではのコンテンツで、特別感とおもてなしを重視した内容にしたい」と述べた。(川村正治)