島田荘司選 第14回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞 受賞作決定!
第14回同賞 受賞作は「ヘパイストスの侍女」(白木健嗣)
応募76作の中から,受賞作が決定しました。
島田荘司選 第14回 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞 受賞作は,
「ヘパイストスの侍女」(白木健嗣) です!
受賞作品は,今後,選者の島田先生の指導のもとに推敲され,来年(2022年)光文社から出版される予定です。
左から選者(島田荘司先生),受賞者(白木健嗣さん),委員長(枝広直幹福山市長)
白木健嗣さんについて
プロフィール
1989年9月4日生。三重県四日市市出身。東京都墨田区在住。愛知淑徳大学にて諏訪哲史に師事し、近代文学を学ぶ。日本マイクロソフト株式会社勤務。
『ヘパイストスの侍女』あらすじ
四ツ葉自動車の自動運転車「WAVE」が試験中に事故を起こし、ドライバーの男が死亡した。そして、四ツ葉自動車にはサイバー攻撃で自動運転車を事故させたという脅迫文が届く。
サイバー犯罪対策課の斎藤は、一課の女刑事である前之園とともに、人工知能マリス(Managed Automatic Research & Inference System)を使った世界初の捜査に乗り出した。一方四ツ葉自動車では社員が自殺し……。
島田荘司先生選評(抜粋)
自動車業界を舞台にした企業ミステリーは、これまでにも数多く読んで来たし、そのヴァリエーションも頭に残ってしまっているかのような印象を持っていたのだが、この作品の、格別IT方向の理解と知識には感心したし、それらによって作に厚みが作られていて、とても面白く読み、賞選考の読書であることを読了まで忘れることができた。―(抜粋)
受賞コメント
この度は「島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」という栄えある賞を賜り、誠に光栄に存じます。島田先生をはじめ、本賞の運営・選考に携わってくださったすべての方に厚く御礼申しあげます。
大学在学中に志した作家の夢は、「卒業後十年は社会で悩み苦しみなさい」という恩師の教えで一度保留となり、実際その言葉通りに悲惨な二十代を過ごす事となりました。本賞の受賞は作品だけでなく、作家となるために悩み苦しんだ人生まで肯定して頂けたように感じ、嬉しいと同時に深く安心も致しました。
福ミスのこれまで
本市は漢詩人菅茶山をはじめ井伏鱒二、現代では島田荘司などを生んだ文学都市です。その縁により、文学界に新風を送ることをめざして2007年から同新人賞(福ミス)を実施しています。
これまでに1,100を超える応募があり、来年3月には26人目の福ミス作家がデビューします。受賞者の中には、すでに30冊以上の書籍を発行している水生大海さんや一田和樹さん、知念実希人さんがおり、作品がドラマ化や映画化されるなど、福ミスを経て現在活躍しています。
このページに関するお問い合わせ先
島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞実行委員会事務局(文化振興課内Tel928-1117)