2022年3月1日更新
福山城天守
国内には数多くの城がありますが、全国でも唯一の特徴として挙げられるのが、福山城北側の鉄板張りです。現在、かつての姿を復元できるよう工事を進めています。
この鉄板に関しては、少ないながらも様々な記録からその様子を知ることができます。最も古いもので1698(元禄11)年、岡山藩の記録文書である『備後福山之覚書』に「御天守北ノ方ハ鉄包残ル三方ハ白土ニ相見五重ノ御城也」と、北側のみが鉄で覆われていたことが記されています。その他、戦前に建築博士である藤岡通夫教授(東京工業大学)が記した『天守閣建築の研究』には「3方が白亜の総塗籠になっているに関わらず、北側のみは全面に鉄板を張っている。…それは極めて特殊なものであって、ほかに類例が全くない」と評すると共に、築城時の機構である旨言及されています。また明治時代の古写真を見ると、1枚当たり縦1~1.3m、横11cmほどの細長い鉄の板が壁面や窓枠に鋲で留められていることが分かります。
こうした資料を元に現在、往年の姿に近づける工事を進めています。北面の景色もお楽しみください。
戦前の福山城天守北面
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福山城博物館
922-2117
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