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【備後とことこ】HITOTOITO(ヒトトイト) ~ 「繊維のまち福山」の文化と想いを次代につなぐデニムスクール/ 2022.07.26

【備後とことこ】

2022.07.26

福山市は、海外のデニム愛好者からも注目を集める「ジャパンデニム」の、最大の生産地です。

この福山に、1か月の短期間でデニムの縫製技術を習得できるデニムスクールがあります。

さまざまなバックグラウンドを持つ人たちがデニムスクールで学び、オリジナルのデニムを縫い上げて巣立っていきました。

その数は、すでに100人以上におよびます。

江戸時代から続いてきた福山の繊維産業を次代につないでいくために、今、何ができるのか。

生産者たちが出した答えのひとつが、「HITOTOITO(ヒトトイト)」のデニムスクールでした。

記載されている内容は、2022年7月記事掲載時の情報です。現在の情報とは異なる場合がございますので、ご了承ください。

HITOTOITO(ヒトトイト)のデータ

団体名 HITOTOITO(ヒトトイト)
業種 繊維産地継承プロジェクト
代表者名 委員長 後藤和弘 (加富屋株式会社)
設立年 2016年
住所 福山市新市町新市1156-1
電話番号 0847-44-9833
営業時間 平日 午前9時~午後4時
電話は午前10時~午後6時(担当:黒木)
休業日 土、日
ホームページ HITOTOITO

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HITOTOITOとは?

HITOTOITOは、福山市内にある繊維8社によるプロジェクトです。

主な活動として、1か月という短い期間でデニムの縫製技術を学べる「デニムスクール」を運営し、次代の担い手を育てています。

デニムスクール(縫製技術講座)

HITOTOITOのデニムスクールは、デニムの縫製技術や専門知識を学ぶ講座です。

デニムスクールの定員は6人。

平日の午前中3時間、または午後の3時間で、1か月間集中して学びます。

1日6時間×2週間のコースもできました。詳しくはHITOTOITOのサイトで確認を。

実技指導にあたるのは、長年生産に携わっていた高山正則(たかやま まさのり)さんです。

プロジェクトメンバーから「高山さんなら間違いない!」と推薦され、デニムスクールがスタートしたときから現在まで、優しく受講生たちを指導しています。

デニムスクール講師の高山正則さん (画像提供:HITOTOITO)
デニムスクール講師の高山正則さん(画像提供:HITOTOITO)

実技では、デニムのペンケースやトートバッグ、ショートパンツを縫って練習します。

ペンケースの完成!(画像提供:HITOTOITO)
ペンケースの完成!(画像提供:HITOTOITO)
トートバッグができました (画像提供:HITOTOITO)
トートバッグができました(画像提供:HITOTOITO)
デニムがだんだん形になっていきます (画像提供:HITOTOITO)
デニムがだんだん形になっていきます(画像提供:HITOTOITO)
ハーフパンツも縫えました (画像提供:HITOTOITO)
ハーフパンツも縫えました (画像提供:HITOTOITO)

実技だけではなく、デニムの基礎知識を学ぶ座学や、工場や企業訪問も実施。

企業訪問し、生地の仕組みや生地のでき方などを学びます(画像提供:HITOTOITO)
企業訪問し、生地の仕組みや生地のでき方などを学びます(画像提供:HITOTOITO)

備後絣(びんごかすり)の歴史を学ぶため、「福山市しんいち歴史民俗博物館」を訪れて、実際に使われていた古い織り機や、絣の実物を見学する時間も組まれています。

福山市しんいち歴史民俗博物館
福山市しんいち歴史民俗博物館

1か月間さまざまな方向からデニム作りを学び、自分サイズのオリジナルデニムパンツを縫い上げて卒業していくのです。

個性が光る、オリジナルデニムパンツの完成です!(画像提供:HITOTOITO)
個性が光る、オリジナルデニムパンツの完成です!(画像提供:HITOTOITO)

ワークショップ&プロモーション

「モノづくりの楽しさをもっと多くの人に知ってほしい」

「繊維産地としての福山の魅力や、製品の素晴らしさを伝えたい」

その想いから、HITOTOITOでは気軽に参加できるワークショップや、イベントでのPRなども実施しています。

2020年10月に実施した、トートバッグ作りのワークショップは大人気でした。

(画像提供:HITOTOITO)
(画像提供:HITOTOITO)

2019年12月にはルクシアタ福山に出店し、絣のガーランドやしおりの販売などをおこないました。

ノベルティのはがきもHITOTOITOが製作 (画像提供:HITOTOITO)
ノベルティのはがきもHITOTOITOが製作(画像提供:HITOTOITO)

備後絣からデニムへ

福山の繊維産業の歴史は、江戸時代に始まります。

福山藩の初代藩主・水野勝成(みずの かつなり)が綿花の栽培を奨励し、芦田川流域ではたくさんの綿花や藍が栽培されるようになりました。

その後、備後地方で絣の技術を考え出したのが、富田久三郎(とみた きゅうさぶろう)です。

富田は絣の製法を周りの人に惜しげもなく伝え、絣織りが農家の副業として広まっていきました。

こうして備後地域では絣の生産が増えていきます。

やがて人気の高まりとともに製造工程の分業化と機械化が進んで、大量生産も可能になりました。

福岡県の久留米絣、愛媛県の伊予絣とともに、備後絣は「日本三大絣」と呼ばれたのです。

1960年には備後絣の生産量がピークとなり、絣を織る会社だけで250社、関係する会社は1,000社以上もありました。

参考資料:「備後絣」 福山市しんいち歴史民俗博物館

備後絣
備後絣
絣の模様は、計算して染色したたて糸とよこ糸の組み合わせで生まれます
絣の模様は、計算して染色したたて糸とよこ糸の組み合わせで生まれます
しんいち歴史民俗博物館前にある、備後絣の祖、富田久三郎の像
しんいち歴史民俗博物館前にある、備後絣の祖、富田久三郎の像

ところが、時代の変化とともに絣の生産は減少していきます。

「絣で培った染色や織りの技術を、現代に活かせないだろうか」

考え抜いたメーカーが見出した活路が、デニムやカジュアルウェアなどの生産でした。

現在、デニム生地生産では福山が国内シェアの7割以上を占めています。

しかし、海外の安価な繊維製品との競争や、高度な技術を持つ職人の高齢化など、産地福山の課題はまだまだ山積みです。

その課題に向けて、繊維工場の経営者たちが立ち上がってできたのが、HITOTOITO。

HITOTOITO事務局の黒木美佳(くろき みか)さんに、お話を聞きました。

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HITOTOITO(ヒトトイト)のデータ

団体名 HITOTOITO(ヒトトイト)
業種 繊維産地継承プロジェクト
代表者名 委員長 後藤和弘 (加富屋株式会社)
設立年 2016年
住所 福山市新市町新市1156-1
電話番号 0847-44-9833
営業時間 平日 午前9時~午後4時
電話は午前10時~午後6時(担当:黒木)
休業日 土、日
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