未来に歩み出す姿 阿部正弘の像
福山城の二之丸西側上段に福山藩阿部家第7代藩主 阿部正弘の像があります。
阿部正弘は幕末に江戸藩邸で生まれ、若くして今の内閣総理大臣にあたる老中首座に抜擢されました。1853(嘉永6)年アメリカ合衆国海軍司令長官 ペリーの来航時の交渉でも重責を担う立場にありました。外国からの威圧や国内の不安定な政情に対応するため、広く門戸を開けて人材を登用し意見を聴くなど、進取の気性をもって幕政に当たりました。福山藩内においても藩校誠之館を設立し、それまでの漢学中心の教育に洋学や数学などを取り入れ、藩士の子弟以外にも聴講を許すといった積極的な改革を行っています。39歳の若さで亡くなるまで生涯のほとんどを江戸で過ごしましたが、家督を継いだ翌年に、二か月あまり福山に滞在しています。
現在の像は2代目です。初代は1922(大正11)年に市民の寄付金により建立されました。台座は本市出身の建築家 武田五一により設計され、像の原型は武石弘三郎により製作されましたが、第二次世界大戦時に供出されました。
2代目の像は1978(昭和53)年に市制施行60周年を記念して、大半が寄付により建立されたものです。像の原型は本市出身の陶山定人により作製されました。書物を脇に抱え、一歩踏み出そうとするその姿は、昔ながらのやり方を絶ち、近代国家への舵を切った阿部正弘の生涯を思わせます。
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