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【oceans.tokyo.jp】「儲かる農業」を研究する男の主張。やりがい、成長、報酬の3つで地方の風景を変える/2022.11.22

【oceans.tokyo.jp】

2022.11.22

アグリスト代表取締役CEO 齋藤潤一さん Age 43●1979年、大阪府生まれ。シリコンバレーのIT企業を経て、地方創生プロジェクトに携わる。2017年にこゆ地域づくり推進機構の代表理事に就任。19年にアグリストを創業。

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働き手不足と魅力的な産業不足。日本の地方が陥っている負のスパイラルである。このふたつの課題を解決しようとするのが、アグリストの齋藤潤一さんだ。

農産物を収穫するロボットとAIを活用したスマート農業の開発で、農業を“儲かる”産業に変えることを目指す。

アグリストが拠点を置くのは宮崎県新富町。人口わずか1万6000人のこの土地で、ピーマンを自動収穫するロボットを開発している。

「生産者の方々と開いていた『儲かる農業研究会』で、多くの農場に共通する課題が、収穫する人材が足りないことだとわかりました。これまで収穫しきれず廃棄されてしまっていた分の収穫量が増えれば、それだけ収入が増える。儲かる農業への道筋のひとつが見つかりました」。

2019年、宮崎県新富町で設立した「アグリスト」。人手不足を解消して収穫量をアップさせる自動収穫ロボットの開発や、ロボットを効率的に活用できる次世代のビニールハウスの設計を行い、農業の課題解決を手掛ける。ロボットから集積したデータを活用して、収穫量の予測や栽培法の再現可能性を分析する開発を行うなど、農業DXに力をいれる。

2019年、宮崎県新富町で設立した「アグリスト」。人手不足を解消して収穫量をアップさせる自動収穫ロボットの開発や、ロボットを効率的に活用できる次世代のビニールハウスの設計を行い、農業の課題解決を手掛ける。ロボットから集積したデータを活用して、収穫量の予測や栽培法の再現可能性を分析する開発を行うなど、農業DXに力をいれる。

新富町で生産が盛んなピーマンに対象を絞り、ハウス内に設置したワイヤーを移動しながら、収穫を行うロボットを開発した。使用すると平均30%の収穫増が見込めるという。

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「僕たちの強みは、ハウスの横で開発して、実際の農場での実験を繰り返していること。世界でいちばん農業の現場から近いロボット会社だと自負しています。目の前で困っている生産者を助けたいという気持ちと現場からの声の届きやすさが製品力につながっています」。

地域の人々と二人三脚で事業に取り組む齋藤さん。実は、シリコンバレーで働いていた過去を持つ。転機は2011年の東日本大震災だった。

「それまで自分のスキルはお金を稼ぐ手段だと認識していました。しかし、震災直後に福島を訪れてその惨状を目にしてから、『スキルを地域や人のために活かせるのではないか』と思うようになりました」。

そうして始まったのが、同じく齋藤さんが代表を務める、持続可能な地域社会を目指す財団、こゆ地域づくり推進機構。その中で行われていた生産者との研究会から始まったのが、アグリストだ。

このふたつの組織を育て、描く未来がある。

「会社のIPOをひとつの通過すべき点だと考えています。人口1万6000人の町から上場企業が生まれれば、僕たちをロールモデルとして、全国各地の自治体でスタートアップへの投資が始まるはずです。

そんな事例が増えることで、おのずと地方が元気になっていくと思うんです」。

齋藤さんは、その試みを「風景を変える」ことと表現する。

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「荒れた土地に人の手が入って生産的な場所に変わっていく。すると、そこに住む人から見える風景が変わるんです。コツコツと実績を積み重ねて、100年先も続く持続可能な農業を作っていくことがモチベーションです」。

農業を儲かる産業に変え、地方の未来の風景を変えていくために、齋藤さんは、今日も現場の課題と向き合い続けている。

「地方は人材不足と言われますが、やりがいと成長と報酬、この3つがあれば、どこでも優秀な人材を集めることができます。地方に人が集まってくる好循環を作ることも、アグリストが果たせる社会的意義のひとつだと考えています」。

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