【RCC】
2022年12月15日
お正月の縁起物として知られるクワイの生産が、ここ10年で半減しています。全国一の産地・広島県 福山市では、JAや生産者たちが試行錯誤しています。
山崎有貴 記者
「(田んぼは)足場が安定しないですね。この中でずっと動いて作業するのはたいへんなんじゃないですか?」
福山市 熊野町にある 門田和也さんの田んぼは、ポンプで水を噴射してクワイを掘り起こす作業の真っ最中でした。
門田和也さん
― これが、1つの株ですか?
「これが、1つの株ですね。1つの株にこのようにクワイが付いています」
― これは、全部、地面の中にある部位?
「そう、ここまで地面の上で、ここから全部下が地面の中です」
クワイは、夏に植えた球根から成長します。この時期に地下で張った根の先にできた新たなクワイを1つずつ手でちぎって収穫していきます。
これは、1964年、福山市で撮影されたクワイの収穫の様子です。
福山でのクワイ栽培の歴史は明治にまでさかのぼり、市によりますと、もとは沼地に自生していたクワイを福山城の堀に植えたのがはじまりで、全国に出荷されるクワイの6割ほどが広島産だということです。
「芽が出る」縁起物として知られ、正月のおせち料理を彩る食材の1つですが、この10年間で出荷量も農家の数も半減しているといいます。
門田和也さん
「子どものときから福山に住んでいて、ここの特産品だからこそクワイを食べられたけど、もはや、ここでもぼくの子どもの世代には食べられないかもしれない。すごく危惧しています」
実は、門田さんはクワイ農家1年生…。
6年前に脱サラして、シャインマスカットを作りながら、収入安定のためにことしからクワイも始めました。
そんな門田さんをサポートしようと、この日、くわい出荷組合の渡辺 組合長の姿が田んぼにはありました。
福山クワイ出荷組合 渡辺孝信 組合長
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