【中国新聞】
2023/01/08
広島県福山市は2021年8月の大雨で流失した芦田川の潜水橋「下山守橋」(駅家町)の復旧工事を進めている。18年7月の西日本豪雨でも被災し、21年7月に復旧したが、わずか1カ月半後に再び流されていた。利用していた地元住民は、23年2月末予定の完成を心待ちにしている。
下山守橋は増水時に水中に沈む橋で、鉄筋コンクリート製の幅2メートル、長さ約108メートル。21年に橋板72枚のうち16枚が流された。出水期を避け、22年10月下旬に工事を開始。川底から橋板を引き上げ、無事だった橋脚の上に設置している。事業費は約3600万円。
下山守町内会の三好伸二会長(70)によると、住民は田畑や神社への移動のほか、買い物などに橋を利用。迂回(うかい)路となる別の橋までは遠く、高齢者がタクシーで家の対岸の墓地に行くケースもあったという。「重要な橋。完成が待ち遠しい」と話す。
西日本豪雨では、市内の芦田川の潜水橋6本のうち下郷橋を除く5本が壊れた。川を管理する国との協議を経て、市は下山守橋と上流の近田橋の復旧を決め、残り3本を撤去した。
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