広島県東部を流れる芦田川水系でダムの貯水率が大幅に下回り、今後、取水制限を実施する可能性があることを受けて、関係する自治体などが対策に向け協議しました。

福岡公陽 カメラマン

「芦田川上流にある八田原ダムです。水面の上に茶色い岩肌が出ている場所が広い範囲で確認できます」

福山河川国道事務所によりますと、芦田川水系の「八田原ダム」と「三川ダム」の貯水量は、3日午前9時の時点で約1747万t、貯水率は49.5%となっています。

1日あたり16万tペースで減少していて、今月中旬以降には取水制限の目安となる42%を下回る可能性があるということです。

臨時で開かれた「芦田川渇水調整協議会」には、国や県のほか、福山市や府中市など備後地域4つの市町から関係者が出席しました。

去年10月以降、流域に降った総雨量が、平年と比べて4割程度と少なかったことが要因とみられます。

これを受け福山市は、3日から一部の工業用水で10%の自主節水を始めています。

会議では、目安を下回った翌日から農業用水と工業用水それぞれ20%の取水制限を実施することなどが確認されました。

福山河川国道事務所 柏原良彦 副所長

「市民生活、企業・農業のみなさまに影響が出ないように調整していきたいと思っておりまして、節水に心がけてもらい、渇水対策に取り組んでいただけるとありがたいと思う」

取水制限が実施されれば、芦田川水系では2013年以来、約10年ぶりとなります。