アメリカシリコンバレーを拠点にした【SVBファイナンシャル・グループ】の株価が半分以下に急落していましたが、週末の今日このような発表がありました。関係者と金融当局は13日週明けまでに解決を急いでいると思います。
資産規模は全米16位で、2008年の金融危機以降、銀行の破綻(はたん)としては米国で最大となりそうです。
リスキーなマーケットに手を出したしっぺ返しとして溢れかえったマネーの渦に巻き込まれつつ消滅していく機関の運命はいつの時代も同じだと感じます。
2008年のリーマンショックの場合には破綻したのが投資銀行でありレバレッジが30倍を超えるリスクを背負っていたため世界金融危機になった経緯がありますが、今回のシリコンバレーバンクはそこまでのレバレッジは規制によりリスクを背負っていません。
しかし、今後間違いなくシリコンバレーのスタートアップ企業は大きな試練を迎えることは避けられないでしょう。すでにアメリカ国債の利回りの急落と現物商品価格の上昇は、より安全な資産へ移動が始まっていると考えられます。
日本においても行き過ぎたインフレ抑制などのための「利上げによる金融引き締め(金利上昇=債権安)」が市中銀行(多くの日本国債を保有する地銀含む)の極端な財務内容の悪化にならないよう適切な運営が望まれます。
問題は、マーケット参加者が過度に神経質になり、このことを発端とした連鎖が日本でも起きないよう日銀はマーケットに対して適切なコミットメントと資金供給がいつでもできるよう準備が必要かもしれません。
この事によりインフレに対する利上げなどの効果的な金融政策が行えなくなった代わりの対応策は極めて限定的で金融秩序を破壊する可能性もあります。仮にそうなった場合、その結果のイメージは悲観的にならざるを得ません。
すでにその渦中へ入り込んでいるのであれば、現実に起きることに目を背けずその渦から少しでも離れ、抜け出す方法を見つけなければ年末前にも毛布が必要になるかもしれません。
2023.3.11(N)
【bloomberg】
2023.3.11
SVBファイナンシャル・グループは傘下のシリコンバレー銀行(SVB)が経営破綻したのを受け、身売り先を探している。事情に詳しい関係者が明らかにした。
非公開情報であることを理由に匿名で語った同関係者によると、検討されているのは資産の部分的売却もしくは会社全体での売却。13日までの取引完了を目指しているという。
SVBは10日、連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に置かれ、過去10年余りで最大の米銀破綻となった。
SVBはゴールドマン・サックス・グループが主導するディールで総額22億5000万ドル(約3000億円)の調達を計画していたが、結局は断念したと別の複数の関係者が明らかにした。関係者の1人によると、SVBは他の解決策を探るのにセンタービュー・パートナーズを雇っていたという。
ゴールドマンとセンタービューはコメントを差し控えた。SVBにもコメントを求めたが、すぐに返答は得られなかった。
原題:SVB Seeks Fast Buyer After Regulators Shut Banking Operations(抜粋)
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