【くるまのニュース】
2023.03.16
警察庁が2022年中の交通違反の取り締まり状況を公表しました。取り締まりの総件数は614万1535件でしたが、一体どの交通違反が多かったのでしょうか。
取り締まりの多い交通違反トップ3とは?
警察庁は2023年3月、「令和4年中における交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について」と題した文書を公表し、2022年中の交通事故の状況や交通違反の検挙件数などについて明らかにしています。
>>オールシーズンとスタッドレスの違いは?極寒の北海道で試乗チェック!【PR】
さらに同資料の中の「道路交通法違反の取締り状況」においては、2022年中の反則告知(反則切符の交付)のほか無免許運転や飲酒運転といった事件の検察送致など、あらゆる交通違反の検挙件数がまとめられており、その総数は614万1535件でした。では、2022年中はどの交通違反の取り締まりが多かったのでしょうか。
もっとも件数が多かったのは「一時不停止」の違反で146万6131件でした。2021年と比較すると12万2497件減少しているものの、1日あたりに換算すると4000件以上も検挙されていることになります。
また、警察庁の「原付以上運転者(第1当事者)の法令違反別死亡事故件数の推移」という資料では、2022年中に一時不停止が原因となった死亡事故が60件発生していると明らかになったほか、2022年9月には福岡県柳川市において一時不停止の軽自動車とバイクが衝突し、バイクに乗車していた男性が肋骨を2本折るなどの大怪我を負う事故も発生しています。
一時停止の道路標識は左右の見通しが悪い交差点に設置されることが多く、きちんと停止して安全確認をしなければ、大事故につながるおそれがあります。一時停止に関しては「何秒止まらなければいけない」という明確な規定はないものの、法律の解釈上、クルマの車輪が完全に停止することが必要です。ドライバー自身が止まったと思っていても、周りから見れば停止できていないケースも散見されるため、しっかり止まることを意識して運転しなければいけません。
次いで取り締まり件数が多かったのは、「最高速度違反」で93万2260件でした。こちらも一時不停止と同様に、2021年と比較して13万2558件減少しています。最高速度違反については、超過した速度別に「時速50km以上」、「時速30km以上50km未満」、「時速25km以上30km未満」、「時速20km以上25km未満」、「時速15km以上20km未満」、「時速15km未満」と統計が6種類に区分されていますが、それぞれ件数が減少する中で「時速50km以上」の区分だけは2021年から290件増加し、1万2396件でした。
クルマの速度が上がるにつれて制動距離は伸び、ブレーキをかけてもすぐには止まれないため交通事故につながる危険があるほか、高速道路においては時速40km以上、一般道路においては時速30km以上の速度超過で免許停止、加えて懲役や罰金といった罰則が科せられる可能性があります。
最近では持ち運びが可能な移動式のオービスによる取り締まりもおこなわれているため、狭い生活道路においてもスピードを出し過ぎないことが重要です。
3番目に多いのは69万8533件の「放置違反金納付命令件数」であり、昨年3番目だった「通行禁止違反」の69万7682件をわずかに上回る結果となりました。放置駐車違反をしたドライバーが警察に出頭せずにいるとクルマの使用者に対して放置違反金の納付を求められますが、それでも使用者が納付に応じなかった場合には放置違反金の納付命令がおこなわれます。
この「放置違反金納付命令件数」も2021年と比べて5万7783件減少しているものの、依然として駐車違反が多くおこなわれている実態が浮き彫りになっているといえるでしょう。
2022年中の交通違反の取り締まりは、2021年と比べて全体的に件数が減少しました。しかし、その中でも横断歩行者等妨害等の違反に関しては2021年と比べて1万708件増加した33万6504件であり、2017年の14万5292件と比較しても5年間で約2.3倍へ増加しています。横断歩行者等妨害等違反については連続して増加傾向にあることから、今後も取り締まりが強化されると予想されます。
※ ※ ※
前述した交通違反のほかにも、信号無視や座席ベルト装着義務違反などに対する取り締まりが多くおこなわれています。交通事故を防止するためにも、また警察から検挙されないためにも交通ルールを守って運転することを心がけましょう。