【gizmodo】
- 中川真知子
日本のAI第一人者のひとりである松尾豊氏が、「これまでのホワイトカラーの仕事ほぼすべてに影響が出る可能性が高い」と書いた資料が注目されています。
その文言は、自民党が新たに立ち上げた「AIの進化と実装に関するプロジェクトチーム」のAI戦略の検討会で使われた資料の一部に書かれています(資料はDL可能です)。
松尾豊氏は、東京大学大学院工学系研究科の教授で、同氏が率いる松尾研究所は人工知能とウェブ、ビジネスモデルに関する研究を行なっています(ギズモードが過去にAIが人を殺す可能性はあるのか、をテーマに松尾氏にインタビューした記事も併せてどうぞ)。
まず、自然言語におけるユースケース…ざくっと言えば日常的で一般的な使い方ということですが、従来と同じタスクでも精度が大幅に向上し、「Chat GPTの卓越したコミュニケーション精度と圧倒的な知識量から、以前では決してできなかったことまでできるようになっている」と書いています。
そして、既存のアプリケーションも変化し、「検索がなくなる可能性」と「Office製品は全部かわ」り、「人間が自分で打つ時代は終わって、情報の収集や要約、可視化まで自動化される可能性」にも言及。同時に、目的に特化したChat GPTの出現によって、「ホワイトカラーの仕事のほとんどすべてに何らかの影響がある可能性が高い」と結論づけています。
その上で、日本は何ができるのか。松尾研究所は、3つの戦略を提案しています。
1)大規模言語モデルを自ら開発する
2)APIを使いサービスを作ることを奨励する
3)ユーザとしての活用を促進する
このように、対応策やチャンスはないとは言えないみたいですが、「急ぐ必要がある」とも書いてあり、悠長なことは言っていられないようです。
「Chat GPTをはじめとするAI技術は、急速に進化しているため、遅れをとってしまうと、日本がAIの進化に対応できなくなる可能性があります。そのため、日本の企業や個人は、AI技術について積極的に学び、活用することが求められています。」
不安、加速しますね……。
Source: 東大松尾研究室