接待で「中華料理のコース、メインはエビチリ」はあり?店選びの注意点では中国料理の教養を学んだ。今回は実践編として、具体的な中国料理のマナー6選を紹介する。

※本稿は小倉朋子『教養としてのテーブルマナー』(SBクリエイティブ)の一部を抜粋・編集したものです。

教養としての中国料理のマナー

料理の取り分けでは、「メンツ」「テンポ」を守る

中国人は非常に「メンツ」を重んじます。特に目上の人のメンツを潰すのはタブーですから、食事の席でも、まず目上の人から料理を取ります。料理をシェアするには周囲との共鳴、チームワークが重要です。

一番よくないのは、話に夢中になったりして料理を放っておくこと。大皿が回ってきたら速やかに自分の分を取り、隣の人に回す。このテンポを崩さないように注意しましょう。まだ食べたくない場合は、「お先にどうぞ」とひと言添えて、速やかに隣の人に回します。

もちろん、自分の分を取るときは、全員にまんべんなく行き渡るよう、「何をどれだけ取っていいのか」を瞬時に判断することも大事です。

目安としては、全員が食べられるように「自分の分として取っていいマックス量よりも、やや少なめ」を心がけます。全員に行き渡ってから、まだ大皿に料理が残っていたら、おかわりするようにしましょう。

どこを取っても和食と違う「お皿」のマナー

新しい料理が運ばれてくるごとに、取り皿も取り替えてかまいません。和食では料理を出してくれた側の手間を省くため、極力、食器を汚さないように配慮するのがマナーですが、中国料理では違います。

ただし、魚の骨、肉の骨、甲殻類の殻などを自分の取り皿に置くのは、中国料理では本来は無作法とされています。残余物はテーブルに置き、「こんなにテーブルやクロスが汚れるほど、みなで楽しみました」と示すのが正式なマナーなのです。この点も、自分のお皿の右奥に残余物をまとめる和食とは違いますね。

しかし、近年ではかなり感覚が変わってきています。中国人の間でもグローバリズムが浸透するにつれて、他文化では理解されづらい中国独自のマナーが控えられる局面が増えてきているようです。

「本来はテーブルに直に置く」という知識はもったうえで、周りの人の様子も窺いつつ、その場ではどう振る舞うかを選ぶといいでしょう。「知識があること」自体ではなく、「臨機応変に選択できる」ことが教養です。

また、取り皿を含め、お皿は持ち上げても口をつけてもいけません。

単品のスープ、麺類のスープ、ごはんもの、すべて器はテーブルに置いたまま、お箸と蓮華で食べましょう。

例外的に、ごはんをよそったボウルは持ち上げてもいいとされていますが、それでも口はつけません。