石川県内では昨年度、飼い主が見つからず殺処分された犬、猫の数がゼロでした。
これは県内では初めてのことです。
この背景と新たな取り組みを紹介します。

白山市にある犬猫の動物愛護施設、「CoCoRo」
この施設は動物に関する専門学校など9校を運営している国際ビジネス学院が去年12月にオープンさせました。石川県と福井県で保護された犬猫を行政から譲り受け、里親に引き渡すまでの飼育を行なっています。

動物愛護施設「CoCoRo」

学校内にある施設ということで学生たちも実習の一環で飼育にも携わっています。

国際動物看護専門学校 宮原佳奈教頭
「健康管理はもちろんですが、譲渡先で幸せに自然に生活できるよに人なれを十分にさせるところを気を使っている」

県も動物との共生社会の機運が高まってきたとして2020年4月、「県動物の愛護および管理に関する条例」を施行し、殺処分を減らす取り組みを進めています。

県内で保護された犬猫は小松市にある県南部小動物管理指導センターと金沢市の動物愛護管理センターの2か所で飼育されます。

石川県南部小動物管理指導センター(石川県小松市)

これらの施設では保護した犬猫の譲渡会を定期的に開いたりホームページで動物の情報を公開して里親を探しています。

こうした官民の取り組みが功を奏して県内では昨年度、犬猫の殺処分ゼロを初めて達成しました。

石川県薬事衛生課 出雲和彦担当課長
「県単独ではなかなか殺処分ゼロにはならないと思うので、是非県民の動物愛護精神の高揚とともに動物愛護のボランティアの協力が不可欠」

石川県 馳浩知事
「引き続き学生さんのボランティアだけでなく、専門的な取り組みを県民に啓発しなければならない」

7月20日、石川県と国際ビジネス学院との間で「動物愛護の推進に関する協定」が 締結されました。

石川県と国際ビジネス学院が「動物愛護の推進に関する協定」を締結

県が保護した犬猫の一部の世話が学院に任され、学生が実習の一環として里親に譲渡されるまで飼育するだけではなく県民への正しい飼育方法などについても県と学院が協力して啓発することにしています。

国際ビジネス学院 大聖寺谷 敏理事長
「動物愛護活動の推進や適正な飼育に関する知識を深める教育にも力を注ぎ、動物愛護に関わる人材を育成していきたいと考えている」

国際ビジネス学院 大聖寺谷 敏理事長

県は2024年の春、津幡町の県森林公園内に「いしかわ動物愛護センター」をオープンさせます。

このセンターを動物愛護の知識を普及させる拠点と位置づけ官民一体となって今後も県内で犬猫の殺処分ゼロを目指すことにしています。