【kuruma-news】
2023.07.01
高速道路では、壁面を流れるように光る「緑色のランプ」が設置されている場所があります。この緑色のランプは、一体どういった意味で設置されているのでしょうか。
高速道路を流れる「緑の光」の正体とは
高速道路を走行していると、しばしば壁面を流れるように光る「緑色のランプ」を見かけることがあります。
これは、壁面に等間隔に設置されたランプがタイミングを合わせて点滅することで進行方向に向かって流れるように見える設備なのですが、一体どういった意図で、そしてどのような場所に設置されているのでしょうか。
NEXCO東日本に確認したところ、この設備の正式名称は「ペースメーカーライト」。
路肩や中央分離帯に設置したLED発光パネルが、車両の進行方向に流れるように点滅することで、ドライバーの運転をアシストすることを目的に導入されています。
ペースメーカーライトは、走行スピードの目安となる速度で点滅しており、ドライバーはライトの流れる速度に合わせて走行することで適切な車間距離や走行スピードを保つことができ、渋滞を起きにくくさせる効果があるといいます。
では、どうしてペースメーカーライトは高速道路でも特定の場所にのみ設置されているのでしょうか。
このライトが設置されている場所は、主に渋滞の先頭になりやすい「ボトルネック」と呼ばれる箇所になります。
渋滞は、事故車や故障車などによってクルマの流れが阻害されることで発生するものだと一般的に思われていますが、実はその多くはこのような目に見える原因がない場所でも発生しています。
それが「サグ部」と呼ばれる、下り坂から上り坂にさしかかるポイントです。
下り坂から続く上り坂では、ドライバーが意識的にアクセルを多めに踏まなければ、気づかないうちに緩やかにスピードが低下してしまい、次々に後続を走るクルマとの車間距離が詰まっていきます。
これが何台も連続すると車間距離がどんどん近づいてしまうため、後続のクルマがブレーキを踏むことになり、さらに後方のクルマはスピードが完全に落ちきってしまい完全に停止してしまうなど、最終的に渋滞に発展してしまうのです。
また、無意識下のスピード低下による交通渋滞は、サグ部のほかにトンネルの入り口でも発生しやすくなっています。
トンネルへの進入直後は明るさの変化や圧迫感により、無意識にアクセルを緩めたりブレーキを踏んでしまうことが多く、それを原因として走行するクルマのスピードが低下してしまうのです。
このようなわずかなスピードの低下が後続のクルマに次々と影響していった結果、交通量の多い道路では渋滞に発展してしまうのです。