2023.8.8(K)
欧米各国のインフレが日本にもたらした「不景気」。
すでに日本は、物価高騰、実質賃金減少の二つが悪化の一途をたどっていますが、これは正常なインフレ軌道にいたる間に必然的に起きる「プチスタグフ」の域をこえてすでに「本格的なスタグフ」に突入していると考えられる兆候があちこちに見られてきています。
いったん悪性のスタグフレーションに入ると「底なし沼」のように、ジタバタすればするほど浮きあがれなくなることは政府・日銀も良く分かっているはずですが、今の日本の財政・金融・税制政策は、低所得者に対して生きていくかすかな希望をことごとくつぶしにかかっているのではとしか見えません。
庶民は「円高の不景気」は生きていくことはできますが、現在起きている「歴史的円安の不景気」の社会環境の中では、一粒の生きる希望をもはぎ取られてしまいます。
残された時間は多くもなく、気がついたときには「時すでに“お寿司”」かもしれません。
2023.8.8(K)
【TSR】
2023.8.8
2023年7月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が758件(前年同月比53.4%増)、負債総額は1,621億3,700万円(同91.7%増)と、それぞれ大幅に増えた。 件数は、2022年4月から16カ月連続で前年同月を上回った。2023年に入り前年同月比の増加率が拡大し、7月は53.4%増でコロナ禍最大と増勢を強めている。 負債総額は、2カ月ぶりに前年同月を上回った。負債100億円超の倒産が3件(前年同月1件)発生、7月としては2020年の1,008億2,100万円以来、3年ぶりに1,000億円を超えた。
2023年7月の倒産
7月の「新型コロナウイルス」関連倒産は271件(前年同月比56.6%増)発生した。2020年2月からの累計は6,650件に達した。 産業別では、運輸業44件(前年同月比69.2%増)、サービス業他262件(同69.0%増)、製造業81件(同58.8%増)、小売業79件(同58.0%増)、建設業148件(同54.1%増)などで大幅に増加した。コロナ禍の影響を引きずる企業に、物価高や人手不足などの追い打ちをかけている。 コロナ禍の資金繰り支援が終了する時に、ゼロゼロ融資の返済や物価高、人手不足などが重なり、中小企業の資金繰りは厳しい状況が続いている。売上増に伴う資金需要への対応が、今後の倒産動向のキーポイントになる。企業倒産は、業績回復が進まず過剰債務で金融機関の支援が難しい企業を中心に、さらに増勢をたどる可能性が強まっている。