応援される人は何をしているのか。プロ司会者で作家の鹿島しのぶさんは「どんなに能力がある人でも、部下や同僚の協力がないと仕事は成り立たない。周囲の人から好意を集めて応援される人は、常に意識のなかに感謝の念を持ち、日本人の美徳を表す『おかげさま』という言葉を口にする」という――。

※本稿は、鹿島しのぶ『小さな感謝 人生を好転させる一番簡単な方法』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

※写真はイメージです

「感謝」を口にできない人はやがて淘汰される

ビジネスシーンにおいても感謝の言葉は大切です。

なぜなら、感謝の言葉をしっかり口にできるかできないかで、周囲の人があなたに向ける評価が大きく変わってくるからです。

たとえば企業においては、部下は上司の指示で動くのが基本です。そもそも自分ひとりですべてを切り盛りしている個人事業主なら話は別かもしれませんが、企業における仕事は、多くのスタッフとの協業のうえに成り立っており、どんなプロジェクトであれ、上司からの指示がないまま、部下が勝手に仕事を進めることは、ほとんどあり得ません。

つまり、どんなに能力がある人でも、部下や同僚の協力がないと仕事は成り立たないのですから、仕事をするうえで、常に意識のなかに、仲間に対する感謝の念を持っていなければ成功は望むべくもないのです。

にもかかわらず、なかにはどうしてもそれができない人(仲間への感謝の念を持てない人)がいます。

そして、何人か部下を抱えるようになったとたんに、「俺は部下に仕事を与えてやっている、面倒をみてやっている」と思い込む人が出てくるのです。

それは日ごろの態度に必ず出ます。部下に対して傲慢な態度で接し、プロジェクトがうまくいっても、それを当然のこととして、「ありがとう」のひとこともいえないのです。

でも、そこで厳しい評価が下されます。そんな上司についていく人はいないでしょう。あくまで仕事だから表面的に従うことはあっても、意気に感じて積極的に動いてくれたりはしません。

つまり、感謝の言葉を口にできない人は、けっして“人望=評価”を得られません。そういう人間は、厳しい言い方をしますが、やがて淘汰され、消えていくのです。