老後生活の基礎となる公的年金ですが、現在、受け取れる年齢になれば自動的にもらえるようになるわけではありません。「年金の受け取り」は、基本的に申請が必要。しかも、知らなければもらうことすらできない年金制度も。みていきましょう。
年金月14万円のはずだが…「年金120万円のもらい忘れ」で悔し涙の68歳男性「なんで教えてくれないんだ!」(※写真はイメージです/PIXTA)

年金は「待っていればもらえる」わけではありません

老後の生活を支える公的年金。いくらもらえるかで準備は大きく変わるので、ある程度の金額は知っておきたいもの。それを知らせてくれるのが、毎年、誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」。50歳以上であれば、これまでの加入実績に応じた「見込額」が記されているので、それをきちんと確認のうえ準備を進めていけば、「もらえる年金ってこれだけ?」などと困ることはないでしょう。

厚生労働省の調査によると、厚生年金受給者の年金受取額は、平均月14万円。さらに65歳以上に限定すると、男性で月17万円、女性で月14万円です。

ーー平均で月14万円かぁ

と、待っていれば自動的に年金がもらえるわけではありません。きちんと年金がもらえる年齢になり、かつ、「わたし年金がほしいです」と申請しないと手にすることはできません。

たとえば、20歳から60歳まで国民年金に加入した人は60歳で保険料を納め終わり、老齢年金の受給は65歳から始まりますが(60歳~65歳になるまでを待機期間といいます)、通常、受給開始年齢になる3ヵ月前に、年金を受け取るために必要な「年金請求書」が送られてきます。

年金を請求するときに必要なのは、「①年金請求書」「②戸籍謄本、戸籍抄本、戸籍の記載事項証明、住民票、住民票の記載事項証明書のいずれか」「③本人名義の受取先金融機関の通帳等」を用意し、近くの年金事務所や、街角の年金相談センターに提出すればOK。提出する書類は、本人の状況等で変わるので(配偶者の厚生年金(共済)の加入期間が20年以上、特別支給の老齢厚生年金を受給するなど)、事前に必要書類を確認して用意します。

ただ「書類の書き方がさっぱり分からない」という声が多数。65歳のある男性は「書類の書き方がまったく分からないし、書いてある用語も分からないし……名前と住所だけ書いて必要書類をもって年金事務所に書き方を教わりにいった」のだとか。窓口に相談すること30分受付から「手続き完了しましたー」という声に驚いたというエピソードを披露しています。

同じような対応をどこでもしてくれるか不明ですが、年金申請に際し、頭を抱える人は多数。日本年金機構のホームページには、動画で書き方をレクチャーしているので、参考にするといいでしょう。