2024年1月11日
【asahi】
登山家の野口健さん(50)が代表を務める認定NPO法人「ピーク・エイド」(山梨県富士河口湖町)が岡山県総社市と連携して能登半島地震の被災地に新品の寝袋を送る活動を始めた。避難所に身を寄せる人に暖かい眠りを届けるためで、10日、野口さん自らハンドルを握って現地に向かった。
「寒くて眠れない夜が、どんなにつらく、気持ちが追い込まれるか、登山の経験でよく分かっている」。野口さんは9日、全国から寄贈された寝袋やエアマットの荷造り作業に追われながら、被災者を気遣った。
この日は、小、中、高校生を含む約40人のボランティアが、荷造りやトラックへの積み込みの作業を手伝った。妻と高校生の長男、中学生の長女の一家4人で参加した舟津宏昭さん(50)=富士山アウトドアミュージアム代表=は「被災地は道路も寸断されているうえに降雪もあり、大変だろうが、被災者のもとまで届いて欲しい。これからは、人や技術の面でも支援できれば」と話した。
トラック2台とワゴン車2台に、寝袋1126個、エアマット153枚を積み込み、10日、被災地に向けて出発した。
ピーク・エイドと総社市は、災害時の支援協定を結んでおり、昨年2月にトルコで発生した大地震でも、連携して被災地に寝袋などを送った。
今回も野口さんが市と連絡を取り、5日に市役所で片岡聡一市長と記者会見を開いて寝袋の寄贈を呼び掛けた。支援物資は両者がそれぞれ集めるが、市は行政のネットワークを通じて現地の状況や要望などをピーク・エイド側に提供し、野口さんの知名度を生かして多くの支援が集まることを期待しているという。
15日には支援物資を載せた第2便のトラックを送り込む予定だ。ピーク・エイドのホームページから、ネット通販のアマゾンを通じた寄贈を募っており、支援物資リスト(寝袋2種、エアマット1種)から購入することで寄贈できる。(三宅範和)
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