「源氏枠飾り」
「源氏枠飾り」
鞆の旧商家に伝わる江戸時代のお雛さまで、御殿飾りの一種の「源氏枠飾り」です。幅179cm、高さ80cm、奥行き105cmの重厚な見事な造りとなっています。
源氏枠飾りは「源氏物語絵巻」でみられるような上から眺めた屋内を描く構図で、御殿飾りの屋根・天井を取りはらい、建物の中に雛人形を飾ったものです。雅な平安文化への憧れを感じさせてくれます。
両脇の杉戸には白い菊の花が胡粉で分厚く盛り上がり、優美に描かれています。枠にはすだれが付き、「五七の桐」の家紋の幔幕が張り巡らされ、背後には金の襖が入っています。内裏雛のお顔はおっとりとした面長で、指はすらりと細長く、すっきりした気品あふれる姿です。
内裏雛より一段下に、三人官女が並びます。この三人の官女のうち、既婚者が一人います。真ん中に座り、三方を持つ官女がそうで、よく見ると袖が短く、上官の女官らしくまゆを描いています。その他、桜と橘、ぼんぼりもそろっています。
このお雛さまは、港町・鞆の繁栄振りも物語っています。(この雛人形は、鞆の浦歴史民俗資料館の新春企画展「雛祭」で3月24日(日曜日)まで開催しています。)
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