【kuruma】
2024.02.04
「前向き駐車をお願いします」といった内容の看板がコンビニの駐車場にあります。一体なぜ多くのコンビニで「前向き駐車」が推奨されているのでしょうか。
SNS上には駐車場の利用マナーへの不満も続々!
多くのコンビニ駐車場では、クルマの「前向き駐車」を推奨しています。
敷地に入ってそのまま駐車できるのは楽ですが、一体なぜ「前向き駐車」をする必要があるのでしょうか。
クルマでコンビニの駐車場に入ると、「前向き駐車をお願いします」などと書かれた看板をよく目にします。
また看板の効果なのか、コンビニの駐車場では多くのクルマがお店や柵の方に頭を向けて駐車しています。
駐車場が狭いとバック時に切り返しをしづらいケースがあるほか、バック駐車を苦手とするドライバーも少なくないため、前向き駐車をありがたく感じている人もいるかもしれません。
では、なぜコンビニの駐車場において「前向き駐車」をお願いしているのでしょうか。
その理由としては、クルマの排気ガスやガスの臭いによってコンビニ付近の住民に迷惑をかけないようにするためです。
前向き駐車をお願いしているコンビニは周りが住宅密集地であることも多く、住宅地とコンビニを仕切る柵に向かってバック駐車をすれば住宅の方に排気ガスが流れてしまいます。
最近は低排出ガス車が広く普及しているとはいえ、排気音・エンジン音が大きいクルマやバック時に警告音が鳴るクルマなどもあるため、コンビニ側が住民に配慮しているというワケです。
ただし前向き駐車をした後は、お店を出る際のバック事故に注意しなければいけません。
公益財団法人交通事故総合分析センターの「イタルダインフォメーションNo.128」によると、2008年-2017年までの間に四輪車バック時の死亡事故は610件、重傷事故は1万840件、軽症事故にいたっては26万654件発生しています。
バック時は前方に発進する場合と比べて目視できない「死角」も多いため、バックカメラを過信することなくクルマに乗る前に後方を確認する、周囲の音を聞くようにする、同乗者がいれば誘導してもらうなど、事故防止策を講じることが重要といえるでしょう。
さらに、コンビニによっては前向き駐車のほか、アイドリングストップや深夜の集会などを禁止しているケースもあります。
SNS上においては「コンビニの駐車場から話し声が聞こえてきてうるさい」「クルマから音漏れしすぎ」といった騒音を気にする声。
さらには「コンビニ関係者だけど、エンジン音がうるさいと苦情が入ることがあるのでやめて欲しい」、「短時間利用するだけの人には分からないかもしれないけど近隣住民は騒音に苦しんでいる」といった悲痛な声も寄せられました。
夏場や非常に寒いときなどはエアコンのためにエンジンをかけっぱなしにしたまま買い物に出かけるドライバーも散見されますが、この行為は道路交通法第71条第5号の「停止措置義務違反」に当たる可能性があります。
同条では「車両等を離れるときは、その原動機を止め、完全にブレーキをかける等当該車両等が停止の状態を保つため必要な措置を講ずること」と規定。
ドライバーがその場を離れるときにはエンジンを切る、サイドブレーキを引いておくなどクルマが動き出さないような対策が必要です。
また夜間、駐車場に大人数が集まって話をしていると騒音として警察に通報されたり、近隣住民とトラブルに発展したりするケースもあります。
コンビニに限らず、スーパーやショッピングセンターなどの店舗では、周囲の人への配慮が大切といえるでしょう。
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コンビニ駐車場の看板に記載された「前向き駐車」「静かにしましょう」などのお願いに法的拘束力はないものの、従わないと近隣住民に迷惑をかける可能性があります。
クルマを駐車する際には説明書きをよく確認し、お店のルールを守ることを心がけましょう。