【goodspress】
2023/07/14
「KS6 PRO」に搭載されるモーターの定格出力は500W。リアホイールに内蔵されたインホイールタイプとなっています。ホイールサイズは前後10インチで、耐パンク加工タイヤが装着されています。
ウインカーやヘッドライト、クラクションを装備している必要があるのは、原付一種のモデルと同様。ブレーキは前後ともに備えている必要があり、「KS6 PRO」の場合はフロントにドラムブレーキ、リアに機械式のディスクブレーキ+電子ブレーキを装備しています。
また、ナンバーも特定小型原付に独自のものが用意されています。従来は原付一種と同じ幅のナンバーが装着されていましたが、新たに幅を抑え、10×10cmの正方形のものとなりました。外観で特定小型原付を見分けるポイントのひとつです。
また特定小型原付は、新たな保安基準が整備されたため、それに適合しているかを確認する「性能等確認制度」もスタートしています。この制度では、国土交通省がその能力を審査し、適合したモデルにはそのことを示すシールが貼り付けられます。
■歩道も走れる“特例”特定小型原付とは?
「歩道も走れる」ことが特定小型原付の売りのひとつですが、歩道を走れるのは“特例”のついたモデルだけです。
特例特定小型原付とは「6km/hを超える速度を出すことができない走行モード」を備え、そのモードで走行しているときは「最高速度表示灯が点滅させる機構」を備えていることとされています。
歩道を走る際は、このモードに切り替える必要があり、アクセル操作で6km/h以下に調整するだけでは歩道を走行することはできません。「KS6 PRO」の場合、モードを切り替えるには一旦停止する必要があるため、車道を走行していてそのまま歩道に乗り込むような走り方は不可能。そうした設計にも、法を遵守した、安全に対する意識の高さを感じます。
そのほかにも“特例”モデルには、側車を付けていないこと、ブレーキが走行中容易に操作できる位置にあること、鋭い突出部のないことなどの規定があります。歩行者と同じエリアを走るためには当然ともいえますが、“特例”の付かないモデルと比べても高い安全性が求められていることがわかります。
また、“特例”が付くモデルであってもすべての歩道が走れるわけではなく、走行できるのは「普通自転車等及び歩行者等専用」の道路標識が設置されている歩道のみ。自歩道と呼ばれる歩道側に自転車道が設けられている部分も走ることができますが、どちらの場合も中央から車道寄りの部分もしくは普通自転車通行指定部分を通ることとされていて、歩行者の通行を妨げることとなるときは一時停止しなければなりません。
ちなみに「KS6 PRO」はハンドル部分を折りたたむことも可能。サイズは走行可能な状態が1192×520×1258mmであるのに対して、収納時は1192×520×604mmまでコンパクトになるので、自宅の玄関などにも置きやすそうです。
重量は22kgなので、持ち上げて運ぶこともなんとか可能な重さ。バッテリーはリチウムイオンの36V-15.6Ahで、航続距離は60kmとされています。日本での販売は脚立メーカーとして知られる長谷川工業が担い、価格は19万8000円です。
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新しいカテゴリーであることから何かと注目を集めている特定小型原付の電動キックボード。日本の交通社会においては新参者であることから、危ないという印象を持つ人もいるかもしれませんが、選ぶのであればきちんと安全に配慮されたものを選びたいところです。
その点、YADEAは電動キックボードだけでなく、電動バイクなどの電動モビリティを2001年の創業以来、7000万台も販売しているブランド。それだけの実績があるだけに、安心して選べるといえそうです。
>> YADEA
<取材・文/増谷茂樹 写真/松川忍 協力/長谷川工業>
増谷茂樹|編集プロダクションやモノ系雑誌の編集部などを経て、フリーランスのライターに。クルマ、バイク、自転車など、タイヤの付いている乗り物が好物。専門的な情報をできるだけ分かりやすく書くことを信条に、さまざまな雑誌やWebメディアに寄稿している。