市内に甚大な被害をもたらした平成30年7月豪雨を受け、本市では床上浸水をなくすことを目標に国・県・土地改良区と連携し、大規模かつ迅速な浸水対策を進めてきました。家庭でも防災意識を高め、大雨や台風に備えましょう。
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問い合わせ
港湾河川課084-928-1141
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ID
333621
平成30年7月豪雨
総雨量394mmの降雨により本市では、約2,000haという県内で最も広範囲な浸水被害が発生しました。
観測史上1位の降雨を記録
浸水対策の経過
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2018年7月 平成30年7月豪雨発生
2018年8月 「福山市域における
浸水対策協議会」設置 -
2019年2月 「浸水対策の行程表」策定
浸水対策をスタート
ただ今、蔵王ポンプ場を施工中!
※画像はイメージです
※土地改良区とは営農活動のための施設の維持管理や地域農業の振興を推進する団体。地域環境づくりを目的とした土地改良事業を計画・実施している
国・県・市・土地改良区が連携して5年間で172の浸水対策事業を展開。樹木伐採、土砂撤去、ポンプ場・排水機場の施設強化などに取り組んでいます。
5年間で進めてきた浸水対策について、
国・県・市の担当職員が主な取り組みを紹介します。
川の中の木や土をどかすことがなぜ浸水対策になるの?
大雨の時に水を流れやすくして、川があふれないようにしているんだよ
川の中に生えている木や自然にたまった川の底の土があると、大雨の時に水が流れる量を減らしてしまうんだ。木を切ったり土を掘ってどかすことで、川があふれないだけの十分な水を流すことができるよ。
市港湾河川課 村上
芦田川の底の土を掘る様子
大雨に強い堤防はどうやって作るの?
堤防にしみ込んだ水を素早く堤防の外側の水路に流して壊れにくくするよ
実は堤防は土で作られているんだ。土は水を通すから大雨の時に増えた川の水や堤防に降った雨水が堤防内に大量にしみ込んで、堤防が壊れる原因になるんだ。だから堤防にしみ込んだ水を素早く堤防の外側に出す事が大切なんだよ。
国土交通省 福山河川国道事務所
(左)坂井 (右)棟田
ドレーン工法とは?
堤防の裏側の一部を水はけの良い石に入れ替えることで、堤防にしみ込んだ水を集め、堤防の外に水を出しやすくしています。
水はけの良い石(ドレーン材)
ポンプ場・排水機場って何をするところ?
小さな川であふれそうな水を吸い上げ大きな川に流すことで、
水の流れを助ける施設だよ
大きい川の水の量が増えると、つながっている小さい川に水が逆流し、周囲の家が浸水してしまう危険も。だから大きい川をゲートでブロックして、ポンプを使って小さい川の水を大きい川に流しているよ。
県東部建設事務所 中原
排水機場を新設し排水能力を3.1倍※に増強
※隣接する既存施設に対しての増強値
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県
ポンプ場・排水機場
3カ所整備完了
神辺・東手城・神島
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市
ポンプ場・排水機場
10カ所整備完了
新市・松永・南今津・津之郷・草戸・瀬戸・駅家・神辺(2カ所)・沼隈
雨水貯留施設ってなに?
一時的に雨水をためて、急激に川の水が増えるのを防ぐ施設だよ
大雨が降った時、川から水があふれてしまうことがあるんだ。それを防ぐために、まずため池や水槽に雨水をため、それから少しずつ川に水を流すことで、川の水の量を調整しているんだよ。
市港湾河川課 永見
市内初!!松永中学校のグラウンド地下に新設
貯留施設に水が流入している様子
農業用ため池を活用した雨水貯留施設整備
13カ所で約16万㎥の雨水を貯留
雨水貯留施設
13カ所整備完了
東深津・新市・山手・瀬戸・松永・神辺(7カ所)・沼隈
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近所・町内の溝掃除をしよう
溝にごみや泥がたまっていると、雨水がスムーズに流れなくなり、溝からあふれやすくなります。普段から側溝や排水溝の掃除をして、水はけを良くしておきましょう。
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川へごみを捨てない、汚さない
排水路に流れ込むごみは、浸水被害拡大の要因になります。ポンプ場や排水機場に流れる水の中にごみが混在していると、排水施設を詰まらせて適切に作動しないこともあります。
ポンプ場でごみを取る様子
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止水板を設置しよう
補助金制度あり!
止水板は、家の中に水が浸入することを防ぎ、大雨による浸水被害を軽減します。止水板を設置する費用の一部を補助します。事前に申請が必要です。詳しくは市ホームページで確認してください。
止水板の購入や設置工事などに必要な経費の合計額(千円未満切り捨て)の2分の1に相当する額
※予算額に達した場合、
補助できない場合があります -
ウェブサイト「川の防災情報」
ライブカメラ映像や川の水位をリアルタイムで把握しよう
国土交通省のホームページ「川の防災情報」では、リアルタイムで河川の映像や水位を確認できます。大雨が降り始める前に、地域の人が操作員としてポンプ場や排水機場に待機し、そうした情報を確認しながらポンプを動かしています。
「川の防災情報」は誰でも利用できます。大雨の際は住んでいるエリアの氾濫危険性を確認し、自身や周りの人の安全確保に役立てましょう。
いざというときのために日頃から“備え”よう
ハザードマップの確認
地域別に分けられたハザードマップは、市役所本庁舎や各支所、交流館で入手できます。自宅などの状況を確認し、家族で話し合っておきましょう。
- (1)生活範囲の危険度を知る
- (2)避難行動の手順を想定する
- (3)行動のタイミングを決める
マイ・タイムラインを作成しましょう
マイ・タイムラインとは、いつ起こるか分からない災害から自分や家族の命を守るための「自らの防災行動計画」のこと。いざというときに落ち着いて行動することができます。
広島県が作成・配布している
「ひろしまマイ・タイムライン」も
枝広市長の今月のひとこと
今月の特集は、浸水対策がテーマです。西日本を中心に市内でも大きな被害をもたらした平成30年7月豪雨。それを受けて本市では、安心・安全なまちづくりのため、国や県などと連携し抜本的な浸水対策として172の事業に取り組んできました。ハード対策として、ポンプ場・排水機場や雨水貯留施設の整備、河川の樹木伐採や土砂撤去、ソフト対策として、川の水位をリアルタイムで把握する水位計やカメラの設置、水害ハザードマップの作成なども行っています。大雨時の避難行動や地域の水防活動に役立ててください。
自分や周りの大切な人の命を守るためにも、市民の皆さん一人ひとりが災害時の備えをしていただくことが大切です。これを機に、地域や家庭でできる浸水対策について考えてみてはいかがでしょうか。