岡山大学 教育学研究科 実践データサイエンスセンター(教育学研究科 寺澤研究室)では新しいビッグデータの技術を活用した「マイクロステップ・スタディ」という名称の新型e-learningを開発しました。このマイクロステップ・スタディはスマートフォンやPCなどでいつでもどこでも学習ができるWEBブラウザを利用したオンラインe-Learningです。現在学習コンテンツとしては…
「英語:英単語の意味(小中高大〜社会人TOEIC対策)」
「国語:漢字の読み、四字熟語の意味」
を提供しており、増進堂・受験研究社、アスク出版等の提供によりその他の教科でも随時コンテンツを開発しています。*1
マイクロステップ・スタディは問題を出題し『解いて覚える』という従来のドリル学習とは大きく違った視点を持っています。学習者がどの知識レベルにあるかを精確に診断・測定することを第一の目的としており、一夜漬けで得たあやふやな記憶が通用しない、長期の記憶のレベルで知識習得ができているのか、いわば『使えるレベルの知識になっているか』を測定するために、学習する問題全てに対し、知識理解のアンケート調査を定期的に継続して行う*2という構造を持っています。その結果は綿密なビッグデータ解析によりそれぞれの学習者ごとにフィードバックされ、個人ごとの精確な実力や、個人の努力を評価すること、また個人ごとの学習計画を立てるための指標として活用することができます。
マイクロステップ・スタディの学習を一定期間続けると、ほぼすべて*3の学習者においてドリルの学習成績が確実に上昇するという、驚くべき実績を誇っています。実は、アンケート調査で見流すだけでも長期の視点で見ると十分な学習の効果があることがわかっています。自分は勉強に向いていない…と学習を諦めていた子どもが、この仕組みを導入することで学習意欲が向上し「やればできるんだ!」と意欲的に学習に取り組むようになった!という嬉しい声が一足早く学習をはじめた現場から数多く届いています。
すきま時間を有効活用!
*1:その他の他の教科のコンテンツ準備中です。「問題とその答えを暗記するという形式の学習」であればマイクロステップ・スタディを導入することが技術的には可能です。
*2:学習の直後は成績が良く、一定期間を置くと記憶の大部分は思い出せなくなってしまうので、その部分を考慮し、知識として使えるレベルになっているのかを正確に測定することができます。(特許取得済み)
*3:これまでに一定期間マジメに取り組んだものの学習の効果が全く出なかったという事例はありません。
精確な実力の測定
一般的なテストは一度きりですが、マイクロステップは長期間にわたっての学習をすべて記録しています。そのビッグデータから精確な学習者の実力を計測することができます。
使えるレベルの知識定着
知識の定着度を4段階で自己評価するだけで成績が確実に上昇します。実は人間は一度見たものを数ヶ月間脳の中に記憶しているのですが、その積み重ねが使える知識になります。
個人の努力を評価
マイクロステップ・スタディは、やればやるだけ、たくさんの量をこなせばこなすほど成績が伸びるドリル学習です。センスや才能ではなく、努力や頑張りを評価します。
学習意欲の向上
成績の肯定的なフィードバックの活用により学習意欲が高まることが実験的にも証明されています。学習者のやる気に火をつけるツールの一つとして注目されています。
短時間でサクサク学習
1日分の学習は数分程度。1日にまとめてやるより、わずかでも良いので、毎日続けることの方が知識の定着には効果が高いことがわかってきています。このことを学習者本人は自覚はできないのですが、実力のレベルで成績は確実に上昇していきます。
確実なステップで網羅的学習
各学習コースには複数の難易度(学習セット)が用意され、レベルを徐々に上げていくことで全ての問題が網羅的に出題されます。学習者にとって、ニガテとする問題が何なのか明らかになり、本当の意味での個別最適化学習が可能となります。
やればできる!を可視化
学習を続けることによる実力レベルの成績の上昇スピードは差がないことがわかってきています。とにかくやれば必ず成績は付いてきます!やればできる!を精神論ではなく、根拠のあるデータとして学習者に示すことができます。
学習意欲の上昇が科学的に実証されています
のがこれまでの課題でした…が!
マイクロステップ・スタディでは、約3週間に一度の肯定的な成果のフィードバックを行うことで、学習者の意欲をじわりじわりと高めていきます。短期的で短絡的な意欲アップはゲーム要素満載のe-Learningでも可能ですが、1ヶ月2ヶ月…と学習を継続し、「やればできるんだ!」と心から実感してもらうためにはある程度の時間が必要です。概ね4ヶ月〜6ヶ月学習を継続すると、マイクロステップ・スタディにおいては実感できる効果が得られることが、延べ10,000人以上の研究データから経験的にわかってきています。
マイクロステップ・スタディ過去の
取り組みの取材動画
見流すだけのわずかな学習でも学習成績が上昇していきます
詳しくはこちらのページでも解説しています>>>
エビングハウスの忘却曲線が有名ですが、マイクロステップ・スタディの開発者 寺澤教授は、学習の直後に復習を連続して行い、記憶できたら次の問題に進むことを推奨される場合があるがコレは完全に間違いである! 同様に、学習の方略(覚え方・記憶方法)にも差があるわけではなく、書いて覚えても、見て覚えても1ヶ月後の成績には大きな差がないと結論づけています。もちろん復習をすることが悪いわけではないですが、そのタイミングは思いの外大きな影響を持っており、1週間などの短期間の間に復習を行なっても1ヶ月2ヶ月…という長期の視点ではあまり効率的な効果を持ちません。
それらに差があるのはあくまで学習(復習)の直後にテストを行った場合なのです。仮にテストが金曜日にあるのなら、それに向けて月曜日から木曜日の夜にかけて毎日コツコツと復習を行い、金曜日のテストに臨むのが一番良い成績が取れます。しかし、1週間、1ヶ月と期間を空けると、再びそのほとんどを忘れてしまいます。
記憶には先述のように、すぐに忘れてしまう記憶と、ずっと長期に残るがその回数が少ないと思いだすことができない記憶と異なる2つの性質を持つことがわかっています。ここで大きな問題が発生します。そのような性質の異なる記憶が存在しているにもかかわらず、今までその効果を測定するための「テスト」は全くそのことを考慮してきませんでした。つまり、単純に試験範囲を決めて、そこからランダムに問題を作成し、テストを作成したところで、本当に学習者の成績を正しく評価しているのかは全くわからないということです。
顕在記憶の一夜漬けで獲得したあやふやな知識は、学習の直後こそ思い出すことができても、時間が経つと忘れてしまいます。学習のタイミングをきちんと考慮しないと、顕在記憶の影響が大きな知識:いわば実践では使えない知識を測定してしまっている場合があるということです。
さらに、もっと悪いことに…これは学校現場だけでなく、学術の場でも同じことが言えます。研究の現場においても、同じような測定・テストで「教育方法のどちらが効果があるか?」などといったことを検討してきました。今現在一般的に常識とされつつもある「〇〇の方が科学的にも優れた学習方法である」とか「〇〇すれば最適に記憶できる」といった方法は、その測定された成果に、短期的な記憶の成果が大きく含まれている可能性があるということです。このことはまだ一般的にはなっていませんが、教育の現場に想像以上の大きな影響を与えることは必至です。
世間では Aiの活用を謳ったものや、問題に○回正解すれば学習リストから消える等のドリル学習が「学習内容について個別最適化され た学習である」と認識されていますが、私たちはそれでは不十分だと考えています。なぜなら、先述の通りで分析に使用する「問題に正解した」という データが実力レベルに因るものなのか、たまたま直前に復習したから正解したのか、正確に推定するには情報が不十分だからです。もちろんデータが集まれば、そのデータを元にAiが何らかの予測を行うことができるでしょう。しかし、その精確性がどれほどのものなのか、評価する方法すら確立されていないという点は是非知っておいていただきたい点です。
一方で、マイクロステップ・スタディは見流すだけでもわずかながらに学習成績は上昇するという点に着目し、1日あたりに見流す問題とその順番、タイミングを全て事前にスケジューリング(特許取得済)することにより、見流すだけの学習と、その成果を高い精度のデータで収集することを実現しています。私たちはそのデータを「高精度教育ビッグデータ」と呼んでいます。この高精度教育ビッグデータを活用することで、個人の正確な「できる」「できない」を元にした、本当に意味での真に個別最適化された学習を提供することが可能となっています。より詳しい説明はこちら…>>
一回数秒のわずかな学習を1日にまとめて行なったところで、その効果は大したものにはなりません。しかしながら、その学習を長期間にわたる綿密なスケジュールの下分散させ、その効果を正しく測定する測定方法とを組み合わせることで、明確な学習の効果を産むことができます。以下の例は1日にまとめて7回の学習を行なった場合と、7ヶ月にわたり同じく7回の学習を行なった場合の最終的(最後の学習からどちらも1ヶ月経過した後の成績)な効果量の差を表したグラフです。
当然といえば当然ですが、1日でまとめて学習を行うより、7ヶ月にわたって学習を分散させて行なった方がその最終的な効果が高いことがみてとれます。注目すべきは、1ヶ月に1回しか学習していないにもかかわらず、これだけの差が出ている点です。
このような事実は「分散学習」などというトピックでようやく注目されるようになってきました。しかしながら、分散学習の分野においても学習と復習の期間をどのくらい空けるのか、何回復習を行うのかといった適切で効果的なタイミングは、まだまだ手探りであり、学習する教科やコンテンツによっても適切なタイミング変わってくることが知られています。また単純に学習のタイミングを分散させたところで、先述の通りその効果をいつ、どのタミングで測定するのかによっても大きな違いがあることには注意が必要です。学習に伴って測定も同じように分散させなければ本当に正しい結果を測定することはできません。それらの点において、マイクロステップ・スタディは、開発当初よりこの事実に着目し、より精度の高い学習のタイミングに基づくスケジュールの作成と、精確な測定方法を採用しています。分散学習よりはるかに先進的な視点をもっています。
あくまで、記憶の話を一般の方にも理解していただくための例え話ですが、記憶の持つ2つの特徴は、食事と満腹度の関係に似ています。子どもが成長に必要な食時を摂るシーンを思い浮かべてみてください…
マイクロステップ・スタディ™️解説YouTube動画!
概要説明動画
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