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2024.02.21
月の呼び名の意味
日本ではかつて、月の満ち欠けを基準にした太陰暦を使っていたことから、月の呼び名も暦と密接な関係があります。太陰暦では、月が太陽と重なって見えなくなる、新しい月の生まれる日が月のはじまり。
一日を「ついたち」と読むのは、新しい月が立てられる=「つきが立つ」が転じて「ついたち」となったのです。「三日月」は新月から3日目に見える細い月。7日目ごろには半月となりますが、弓を張った弦に見立てて「弦月」と呼びます。新月から満月になる前の半月を「上旬の弦月」、転じて「上弦の月」と呼びます。満月から欠けていった半月は月の21、22日ごろに見えますから、「下旬の弦月」で「下弦の月」と呼び分けます。
この上弦・下弦の月の見分け方を、弦である欠けている側が下を向いていると下弦、その逆を上弦と思っている人が多いのですが、それは間違いです。上弦の月は昼間出て深夜に沈み、下弦の月は深夜に出て昼間に沈みますので、夕方見られる半月は上弦の月、明け方に見られる半月は下弦の月となります。
さて、太陰暦で一日に生まれた新月は15日ごろに満月となります。それで、満月のことを「十五夜お月様」と呼ぶのです。また、古文などで出てくる月末を表す「晦つごもり」という言葉。これは下旬になり、月が東の地平線に近づいて、ほとんど見えなくなる「月がこもる」という意味から「つごもり」という言葉が生まれたのです。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解プレミアム 宇宙の話』
監修:渡部潤一
「地球はどうやってできたの? 宇宙のどこにあるの? 」「太陽が巨大化するってホント?」「月のクレーターや『月の海』って?」「 宇宙はどんな構造?いくつもあるの? 」など素朴なギモンに即答で宇宙のナゾに迫る! ——地球の生い立ちから、お隣の天体・月の謎、太陽と惑星の素顔、恒星と銀河、宇宙論まで、最新の天文学、宇宙物理学、惑星科学に踏まえてやさしく解説。豊富なイラスト、61テーマと興味深い宇宙・星座コラムで、夢とロマンに満ちた、いちばん新しい宇宙の姿がよくわかります。太陽系のナゾから最新の宇宙理論まで、宇宙のフシギをズバリ解明します!