【読売新聞】
2023/02/07
学校でのいじめについて、文部科学省は学校や教育委員会に対し、犯罪にあたるとみられる場合、警察への相談や通報を徹底するよう求めることを発表した。これまで学校現場では、深刻ないじめであっても生徒指導が必要な事案として扱い、警察との連携をためらうことが多かった。同省は7日、こうした考え方を改めるよう、全国の教委などに通知を出す。
通知では、学校でのいじめが犯罪にあたるかを判断しやすいように19の具体的な事例を示した点が特徴。
いじめを巡っては、2021年度の文科省調査で小中高校などの認知件数が61万5351件と過去最多になり、いじめを苦に自殺するケースも後を絶たない。このため、同省は「児童生徒の命や安全を守ることを最優先に」とし、警察への相談や通報を積極的に促すこととした。
通知に添えたいじめの事例では、「靴や体操服、教科書などを盗む」は窃盗、「制服をカッターで切り裂く」は器物損壊、「特定の人物を 誹謗 中傷するため、ネット上で実名を挙げ、体の特徴を指摘し、気持ち悪い、不細工などと書き込む」は名誉 毀損 、侮辱にあたるなどと具体的に示した。