広島県福山市の和楽器職人が、このたび、新しい和太鼓を作りました。材料は、海辺で回収した「流木」…。海洋ゴミを活用しようという取り組みの一環ですが、さて、その音色は?

和太鼓の皮張り作業をする職人‥。福山市にある「三島屋楽器店」の 中嶋和輝 さん(48)です。知人から「海洋ゴミを資源として利用できないか」と相談されたことがきっかけで、流木を使った太鼓づくりを始めました。

三島屋楽器店 中嶋和輝 さん

「形にさえなれば。音はわからないですけど、和太鼓として利用できるとわたしは思っているので」

中嶋さんは去年7月、福山市の宇治島で実施された清掃活動に参加し、大きさや種類が異なるさまざまな流木を回収。ていねいに製材して太鼓の胴の部分に使うことにしました。

三島屋楽器店 中嶋和輝 さん

「割れているのも味だなと思っています。使えない材料ばかりになってしまったら回収して利用する意味もないので」

色も固さも個性的な24本の木材を円筒型に組み合わせて加工し、皮は別の太鼓で使われていた古いものを再利用しました。微調整を繰り返し、音色も確認しながら「流木太鼓」が完成しました。

三島屋楽器店 中嶋和輝 さん

「活躍する場ができたかなとちょっと楽しみですよね。何十年もたたかれていくと思うと、うれしい気持ちになります」その夜、太鼓は、さっそく中嶋さんが所属する和太鼓チームの練習会場へ…。

和太鼓チーム「KINOE」 指導者 原田嘉子 さん
「ようこそ! ここへ来てくれて。個性的な音。いろんな木が集まって、この音が出ている。すごく可能性がいろいろ見えた感じがして、すごくおもしろい」

「流木太鼓」の音色は、5日午後2時から福山市のリーデンローズで開かれるイベント「まつりの世界」でお披露目されます。