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【oggi】「十分」と「充分」の違いとは? 言葉の意味や使い分け、例文などを紹介/2023.09.07

【oggi】

2023.09.07

「十分」と「充分」は、両方とも「満ち足りていて、不足がないさま」という意味です。この記事では、「十分」と「充分」に違いはあるのか、「じゅうぶん注意してください」と書くときはどちらの漢字を使うべきか等、例文をまじえながら2つの言葉の違いを徹底解説します!

日常的によく使う「十分/充分」という言葉。会話のときには気になりませんが、文章を書くときは、どちらの漢字を使えばいいのか、ふと迷ったことはありませんか? そこでこの記事では、「十分」「充分」の違いや使い分け、例文などを紹介します。

「十分」と「充分」の意味や違いは?

最初に、「十分」と「充分」のそれぞれの意味を確認していきましょう。

「十分」と「充分」の意味

まずは、「十分」を辞書で引いてみます。デジタル大辞泉によれば、「十分」の意味は「満ち足りていて、不足がないさま」「10等分すること」「思い残すところがないさま」。そして、「十分」の項には、「十分/充分」と書かれています。このことから、「十分」と「充分」は同じ意味であることがわかりますね。

「十分」と「充分」の違い

同じ意味の「十分」と「充分」ですが、そのほかに違いはあるのでしょうか? 文化庁が行なった「第5期国語審議会」では、「十分」を使うべきであるとの言及があります。理由は、「充分」はあて字であり、本来は「十分」だから。また、「十分」は教育漢字であり、字画も少ないからです。

なお、公用文においては、かな書きが採られていますが、漢字表記の「十分」も許容されているそう。このように、基本的には「十分」を使うべきとされていますが、憲法では「充分」が使われています。

(c)Adobe Stock

「十分」と「充分」の違いをまとめると、「十分」と「充分」の意味は同じで、どちらを使っても間違いではありません。ですが、本来の漢字表記は「十分」であり、「充分」はあて字。ですので、「十分」か「充分」のどちらを使うか迷ったら「十分」を使ったほうが無難でしょう。

参考:「語形の『ゆれ』について(部会報告)」(文化庁)

「十分」と「充分」の使い分け

「十分」と「充分」に、明確な使い分けはありませんが、上記で説明した通り、基本的には「十分」を使うといいでしょう。とはいえ、シーンによっては「十分」と「充分」を使い分けたほうがわかりやすいこともあります。ここでは、「十分」と「充分」を使い分けるシーンについて解説しましょう。

1:「10分(じゅっぷん)」と混同されそうなとき

例えば、「十分眠りました」という文があるとしましょう。これでは、たっぷりと眠ったのか、10分間眠ったのか、わかりにくいですよね。ですので、「10分間」と混同される可能性がある場合には、「十分」ではなく「充分」を使うとわかりやすいかもしれません。もしくは、漢字表記をせずに「じゅうぶん」と記載したり、「10分間」と記載するのもいいでしょう。

2:公用文を書くとき

上述の通り、文化庁によると、公用文を書くときには「かな書きを採るが、十分と書くこともOK」とされています。そのため、公用文の中で「じゅうぶん」を漢字表記するのであれば「十分」を使いましょう。

ちなみに、公用文とは基本的には「国や公共団体が出す文書や法令」をさしますが、「銀行や会社などが出す正式な文書」をさすことも。一般企業に勤める方にとっても、他人ごとではありませんので、正式な文書を書くときには、「十分」を使うということを覚えておきましょう。

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「十分」と「充分」の例文をチェック!

実際に「十分」および「充分」を使った例文をいくつか紹介。ここでは、「十分」と「充分」がよく使われるフレーズに絞って見ていきます!

1:「夜間の一人歩きは、十分注意してください」

「じゅうぶん注意してください」というフレーズは、よく使うのではないでしょうか? この場合は、「十分」と書くのが一般的。ただし、「じゅうぶん」もしくは「充分」と書いても間違いではありません。

2:「嬉しいお話ですが、お気持ちだけで十分です」

「お気持ちだけでじゅうぶんです」は、ビジネスシーンなどで、相手の要求やお誘い、好意をやんわりと断るときに使えるフレーズ。このときも、「十分」と使うほうがいいでしょう。

3:「充分加熱してから、召し上がってください」

使い分けの項で解説した通り、「十分」が時間をあらわす「10分」と混同されそうなときには、「充分」を用いたほうが誤解がないはず。ただし、「じゅうぶん」の本来の漢字表記は「十分」です。公的な文書では、「十分に加熱してから」「じゅうぶん加熱してから」などと記載しましょう。

4:「○○ちゃんは、十分すぎるほど頑張ってるよ!」

「十分すぎるほど」という言葉は、たまに使うのではないでしょうか? この場合も基本的には「十分」を使っておけば、間違いありません。ただしこの例文は口語的ですので、「充分」でも問題ないでしょう。

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「十分」と「充分」の類語や言い換え表現は?

使い分けが難しい「十分」と「充分」。どちらを使うか迷ってしまった場合には、別の言葉に言い換えるのも一つの手です。ここでは、「十分」と「充分」の類語・言い換え表現を紹介します。

1:「完全に」

「満ち足りていて、不足がないさま」という意味で「十分/充分」を使うときには、「完全に」と言い換えることも可能です。例えば、「十分に理解しました」は「完全に理解しました」と言い換えても、意味が通じるでしょう。

2:「100%」

「100%」も、「十分/充分」の言い換え表現として使えます。「私はこの結果に、十分/充分満足しています」と言いたい場合は、「私はこの結果に、100%満足しています」と置き換え可能です。

3:「十二分」

「十二分」とは、「じゅうぶんすぎるほど、たっぷりしているさま」。「十二分に幸せです」「十二分に準備をしています」などと使えます。「十分/充分」の意味合いを強調したいときにぴったりな言い換え表現です。

4:「存分」

「存分」とは、「満足がいくまですること」「じゅうぶんなさま」という意味。「十分に楽しませていただきました」は、「存分に楽しませていただきました」と言い換えることができます。

最後に

使い分けが難しい「十分」と「充分」。意味に違いはありませんが、文化庁は「十分」を使うのが適切であるという見解を示しています。ビジネスシーンで使い分けに迷ったら、「十分」を使っておけば問題ないでしょう。

TOP画像/(c) Adobe Stock


 

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