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【くるまのニュース】バスなのに… なぜ白ナンバー装着? 実は交通難民に欠かせない存在! 過疎地域を救う「命綱的役割」とは/2023.03.19

【くるまのニュース】

2023.03.19

一般的に路線バスや観光バスには事業用の緑色のナンバープレートが装着されていますが、兵庫県のある地域では自家用の白いナンバープレートで運行を行うバスが存在するといいます。これにはどんな理由があるのでしょうか。

なぜバスなのに「白ナンバー」装着?

街中で見かける路線バスなどのナンバープレートは、旅客輸送を行う事業用自動車を示す緑色のプレートをつけていることが一般的です。

そんななか、兵庫県のある地域では白ナンバーを装着し、旅客輸送を行うバスが運行しているといいます。これにはどんな理由があるのでしょうか。

バスなのに…なぜ白ナンバー装着? 【画像:全但バス】
バスなのに…なぜ白ナンバー装着? 【画像:全但バス】

クルマのナンバープレート(以下、ナンバー)は、自家用車では白地に緑文字のナンバー、自家用軽自動車では黄色地に黒文字のナンバーが備わっています。

また路線バスや貨物運送など事業用車両の場合は、緑地に白文字のナンバーが装着されているのが一般的です。

そんななか、兵庫県北部を中心にバス事業を展開する全但バスでは、自家用普通車と同様の白ナンバーを装着し有償運行を行うバスを運行しているといいます。

これには一体どのような理由があるのでしょうか。全但バスの担当者は以下のように話します。

「コミュニティバス『夢つばめ』は、兵庫県の新温泉町より委託を受け運行しています。

というのも、現在の新温泉町民バスが走っている区間の多くは、元々全但バスが道路運送法の許認可を受け、一般路線バスを運行していました。

しかしながら、利用者の減少等の影響により路線の維持が困難な状況となったことから、2008年9月末をもって撤退。

そんな中、バス事業者による輸送サービスの提供が困難な状況となった地域において、道路運送法の登録を受けて、自家用車(白ナンバー)による有償運送を行っているのがこの新温泉町民バスです」

兵庫県の新温泉町を走る夢つばめは、道路運送法78条に基づいて運行されているといい、法的には自家用有償旅客運送のなかの市町村運営有償運送(交通空白輸送)に該当します。

そもそも自家用有償旅客運送は、既存の路線バスやタクシーでは十分な移動サービスが提供されない過疎地域などにおいて、住民の日常生活における移動手段を確保するために、市町村やNPO法人が国土交通大臣の登録を受けて、自家用車を用いて有償で運送する仕組みです。

つまり、公共交通機関の発達していない地域で地域の足となる、新たな交通システムといえます。

現在、この新温泉町民バスは全但バスグループが美方郡新温泉町より受託し運行に従事しているといい、夢つばめのほか、香美町を走る「香美町民バス」、豊岡市を走る市営バス「イナカー」などがあるといいます。

こうして国で認められた条件下で、白ナンバーを装着した公共のバスが走行するケースがあるのです。

※ ※ ※

このほか自家用車の有償で運送する仕組みは、他の地域で実施されているケースもあります。

例えば千葉県木更津市では、交通不便地域とされる富来田地区にて地域住民の生活の足の確保を目的とし、「ふくちゃんバス(愛称)」を運行。

運送区域は、富来田地区及び周辺の商業施設で、利用対象者は富来田地区在住者で事前登録をした住民であれば利用が可能です。

運賃は、片道1回あたり250円、500円、750円と乗車場所や行先によって異なります。

利用方法は、電話で氏名や乗車場所、行き先などを予約受付し、当日に自宅まで迎えに来てもらい目的地まで、帰りも自宅まで送り届けてくれるというサービスです。

昨今では高齢者の免許返納も話題となり、公共交通機関が発達していない地域での“生活の足”となる部分が大きな課題といえます。

全但バスのコミュニティバスや木更津市のバス運行など、こうした新たな交通システムが検討されている地域はまだ多いとはいえないものの、少しでも推進されていくことが課題解消への1歩といえるでしょう。


 

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