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令和2年9月定例市議会 市長説明要旨

掲載日:2020年9月8日更新

 本日,9月定例市議会を招集いたしましたところ,議員各位には,御参集いただき,誠にありがとうございます。
開会に当たりまして,市政運営についての所信を申し上げるとともに,御審議をお願いする諸議案の大要について御説明申し上げます。

市政運営の基本
私は,この度の市長選挙におきまして,引き続き市政を担わせていただくこととなりました。二期目となるこれからの4年間では,新型コロナウイルス感染症から市民の命と健康を守りつつ,社会経済活動を回復させていくという難しい舵取りを行うこととなります。また,人口減少,少子高齢社会が更に進行する中,活力ある地域づくりも進めていかなければなりません。今後も,市民の声に謙虚に耳を傾けながら,「スピード感・情報発信・連携」を市政運営の基本として,ふるさと福山の発展に向けて全力で邁進していく所存であります。

新型コロナウイルス感染症対策
まず始めに,新型コロナウイルス感染症対策についてです。
本市では,8月25日以降,新規感染者は発生しておらず,現在は入院患者もいません。強い使命感を持って医療の最前線で闘ってこられた医療従事者を始めとする関係者の皆様に感謝申し上げます。また,市民の皆様には長期にわたって感染拡大防止に御協力いただきました。市内事業者の皆様には感染発生に当たり,積極的な情報公開に御理解いただきました。改めて心から感謝を申し上げます。
本市では,感染症対策ロードマップを策定し,現在は感染拡大防止と社会経済活動の再開の両立支援に取り組んでいます。しかしながら,感染拡大の不安を完全に払拭しきれておらず,市内の商業活動は今も厳しい状況にあります。
引き続き,次の二つの対策に注力していきます。一つ目は,福山版ガイドラインの一層の活用促進です。家庭編については,既に全戸配布を終えていますが,改めてSNSなどを通じて活用を呼び掛けます。職場編については,商工会議所など産業支援機関と連携し,eラーニング講習会の受講を更に促します。二つ目は,冬場に向けた医療現場の負担軽減です。インフルエンザとの同時流行による医療現場のひっ迫と混乱だけは何としても回避しなければなりません。このため,医師会などの協力も得て,重症化が心配される高齢者等のインフルエンザ予防接種を重点的に勧奨していきます。また,軽症患者については宿泊療養施設への誘導を行います。感染拡大が不安を呼び,その不安が感染していくという流れを断ち切らない限り,市民生活に安心は戻ってきません。今月1日からスタートした消費喚起策が効果を上げるためにも,感染拡大を防止し,市民生活の不安解消に全力を注いでまいります。

変化を確かなものに
私は,これまで,市民の皆様との約束である「5つの挑戦」に,一心に取り組んできました。長年の懸案であった福山駅前のにぎわい再生も動き始めました。福山ネウボラの創設や子どもの医療費助成の拡充など,子どもの健やかな成長への支援も果断に実行してきました。一歩一歩着実に前進してこられたのも,市民の皆様,議員の皆様の御理解と御支援のおかげと感謝申し上げます。

これからの4年間では,今,福山に起こりつつある変化を確かな成果へとつなげていきます。
福山駅周辺では,旧キャスパ等跡地とエフピコRiMが再生されます。これに刺激されるかのように,新たな民間投資が続いています。また,特区を活用したオープンカフェが日常の風景になっていきます。福山城については,全国唯一の鉄板張りを施した天守外観の復元や福山城博物館のリニューアルが完成します。
また,福山北産業団地第2期事業に伴う公募が開始され,箕沖・箕島地区の福山港のふ頭再編改良事業が完了します。福山道路の整備も着実に進捗します。鞆のまちづくりの遅れを取り戻す山側トンネル工事や,新たなごみ処理施設整備が完了します。
おおむね5年間で「抜本的な浸水対策」に取り組むことを2018年(平成30年)7月の豪雨災害直後に表明しました。これまでに整備を終えた河川改修や雨水貯留施設が浸水被害を防ぐなど,既に一定の成果を上げています。河川改修を始め,雨水幹線や排水機の整備など「抜本的な浸水対策」を必ずやり遂げます。ため池の整備を着実に進め,防災力を高めます。
次代を担う子どもたちの教育環境も更に充実します。先月,中学校給食が計画どおり全校で完全実施されました。また,4年前の市長就任時,県内でも大きく遅れていた学校施設の耐震化が全て完了します。車座トークで子どもから強い要望のあった学校図書館のリニューアルも全て完了します。公立では全国初となるイエナプラン教育校が再編後の常石小学校に,そして本市初の特認校としての広瀬学園がそれぞれ開校します。(仮称)千年小中一貫教育校については,開校準備委員会で保護者や地域の皆様の声をしっかり受け止め,円滑な開校につなげていきます。
2022年(令和4年)には福山城築城400年を迎えます。今年度,伏見櫓,月見櫓からスタートしたライトアップについては,ふくやま美術館前のプロムナード,そして天守へと整備が進んでいます。西国鎮護の要衝に位置する福山城の真の価値を多くの市民が知る機会とし,「城があるまち福山」を市民の誇りにしていきます。
スポーツ施設の再編を進める中で,竹ケ端運動公園庭球場のコート増設と福山通運ローズアリーナの屋内温水プールが完成します。福山ばら祭とばらのまち福山国際音楽祭の再開と合わせて,スポーツと文化による健康で心豊かなまちづくりにつなげます。
以上申し上げましたように,これからの4年間で福山の姿は大きく変わっていきます。

「5つの挑戦」の更なる展開
(「安心」と「希望」の都市の実現に向けて)

次に,今後の市政運営の方向性について申し上げます。
これまでの新型コロナウイルス対策においては,国も地方も当初は短期間での収束をめざして,あらゆる対策に取り組んできました。しかし,いわゆるコロナ時代が長期にわたることを考えれば,当面の対応のみに目を奪われることなく,国と地方,官と民の役割分担を改めて整理し,施策の優先順位をしっかりと見極めた行政運営を進めていかなければなりません。
そして,「新たな日常」の下で,子育て,教育,医療,防災,地域づくりといった市民生活に不可欠な分野に一層注力していかなければなりません。
こうした認識に立ち,次期総合計画である「(仮称)福山市みらい創造ビジョン」を今年度中に策定します。新しい都市づくりの理念は,「安心」と「希望」です。
市民の皆様が「安心」を実感できるよう,ポストコロナにおける「新たな日常」をつくり上げます。子どもや子育て世帯にとって未来に「希望」が持てる都市の実現をめざします。これは,「5つの挑戦」の更なる展開でもあります。以下,柱となる主な施策について申し上げます。

○まず,子どもや子育て世帯が笑顔で楽しく過ごせる社会をつくります。
本市は,これまで,乳児保育や障がい児保育などの充実した保育行政,発達障がい児の成長を支えるこども発達支援センターの開設,そして県内に先駆けた福山ネウボラの創設など,全国に誇れる安心して子どもを生み育てられる環境を整備してきました。これからの4年間は,次代を担う子どもたちに,より一層大胆に投資することで,少子化に正面から立ち向かっていきます。まずは,ネウボラ相談員の専門性を高めるなど体制を充実し,子育て世帯から真に頼りにされる相談窓口「あのね」をめざします。これまでの産前産後の相談を通して把握した課題である産後ケアについては更に充実していきます。そして,待機児童ゼロへ再チャレンジするなど,仕事と子育ての両立支援を強化します。また,男性の育児参加を促進します。こども発達支援センターについては機能の強化に向けた検討を進めます。
エフピコRiMの閉館に伴い,廃止となった「えほんの国」は,市内外の家族連れに人気の施設でした。この「えほんの国」で育まれてきた学びや交流,家族の憩いが失われることのないよう,まずは,子どもが楽しめるイベントをできるだけ早期に再開します。将来的に,新たな機能を備えた「えほんの国」の再開をめざします。
子ども未来館構想も具体化します。子どもたちの自然科学への好奇心を掻き立て,ホンモノのものづくり技術や最新のテクノロジーを楽しく体験できる学びの場をつくります。
○こうした社会に対応するためにも,安心して子どもを産み育てられる医療を実現します。
福山市民病院の小児医療については,医療従事者を確保するなど,24時間365日の救急体制を整え,小児救急医療拠点病院の指定をめざします。周産期医療については段階的に機能強化を図ります。備後圏域の基幹病院として,このほかにも,がん医療,救急医療,そして高度専門医療の機能強化をめざします。このため,福山市民病院本館の増改築に着手します。高度で良質な医療提供体制を整えていきます。
○未来を実感する都市づくりを進めます。
福山駅周辺の再生は,市政にとっての最大の挑戦です。これまでは,行政主導でグランドデザインを提示し,民間投資を呼び込み,再生に向けた道筋をつけてきました。
これからの4年間では,行政主導から民間主導へと徐々に移行し,官民連携で再生の動きを加速させていきます。再生の要である駅前広場の再整備に向け,求められる機能についての議論を新たにスタートさせます。多様な人々が集い交流する空間づくりと備後圏域の重要な交通結節点機能をめざします。
先月13日,JR西日本から福山駅北口広場整備事業の計画変更に向けた申入れがありました。JRとは,互いに信頼できるパートナーとして,駅周辺の発展に向けて,引き続き知恵を出し合っていきます。一方で,駅北口の送迎駐車機能の利便性向上と交通課題の解消は喫緊の課題です。駅南北の回遊性の向上にも取り組まなければなりません。さんすて前の仮設駐輪場の撤去や観光バス等の送迎駐車機能の移転など,本市単独で進められる事業については着実に進めてまいります。
福山駅周辺は,福山の「顔」であり,都市のイメージに直結するシンボルです。子育て世代や若者が憩い,歩いて楽しむ姿は,未来への「希望」そのものです。備後圏域の玄関口にふさわしい都市空間へとその景色を変え,圏域全体の持続的な発展につなげていきます。
○高齢者が生き生きと暮らしていくことのできる社会をつくります。
人生100年時代を見据え,福山版フレイル予防に本格的に取り組みます。本市独自のアプリケーションを開発し,気軽に楽しめるフレイルチェックを実施します。健康状態を見える化し,個人に応じた健康づくりを推進していきます。
○国内外から注目される国際都市に挑戦します。
MICEは,新たなビジネス機会の創出など地域経済の活性化につながるものであり,積極的に誘致していきます。本市がめざすMICEとは,ものづくりの強みを生かす産業MICEであり,また,大規模な国際会議場を前提としないエリアMICEです。これは,地方都市では初めての試みです。福山城やエフピコアリーナふくやま,リーデンローズなどの複数の魅力的な施設が会場となります。まずは,藩校サミットや福山城築城400年記念事業でエリアMICEに取り組みます。これを,2025年(令和7年)の世界バラ会議に生かし,成功につなげます。世界バラ会議では,観賞だけではなく,食や香りなどの体験型の新しいばらの魅力も引き出し,国内外から人をひき付ける国際都市をめざします。
また,MICEを支える重要な要素の一つが観光です。ポストコロナを見据え,感染症対策を強化し,観光客の行動変容に対応できる受入環境整備を着実に進めていきます。

(デジタル社会の実現と地域戦略の策定)
ところで,「新たな日常」とは何でしょう。
私の考える「新たな日常」とは,屋内から屋外へ,接触から非接触へ,そして,集中から分散へ。この3つの要素が普通に取り入れられた健康な暮らしです。
そして,この「新たな日常」では,デジタル技術が大きな役割を果たすと言われています。デジタル社会の実現に向けて取り組むことは,「新たな日常」を確立し,社会経済活動の再開につながることに他ならないと考えます。また,デジタル社会の実現こそが,人口減少,少子高齢社会の到来といった地方に共通する課題を解決してくれるものです。
これまで,本市が先行的に取り組んできた「まるごと実験都市」の成果を踏まえ,AIやIoT,ビッグデータなどのデジタル技術を活用し,特に,高齢者等の移動手段である自動運転などのモビリティサービスやヘルスケア,遠隔医療など5Gによるサービスを県と連携して進めていきます。現在,持続可能な地域づくりに向け,地域コミュニティ政策の構築に取り組んでいますが,この中でも,デジタル社会に適応した交流館整備や公共施設の再構築といった視点を持って進めていきます。また,中小企業へのICT導入支援による生産性向上や働き方改革を推進し,雇用の維持や人材の確保にもつなげます。行政のデジタル化も加速し,行政手続のオンライン化やキャッシュレス決済の導入などによる非接触型サービスへの転換を図っていきます。
「新たな日常」の下で,市内各地域の活力を高めていくため,新たに地域戦略を策定します。市制施行以後,合併を繰り返しながら,市域を拡大してきた本市では,その広範な市域の各地にそれぞれの歴史があり,特徴があり,その全てが折り重なって本市の魅力を形成しています。折しも,コロナ禍の中で,東京から地方への分散型社会が現実のものとなりつつあります。各地域がこうした社会の潮流の受け皿となり,ワーケーションや兼業・副業,本社機能の移転などに取り組むことで,新たな人の流れを創出し,活性化につなげていきます。地域の皆様の声もお聴きしながら,地域の個性を引き出し,デジタル社会にも対応した戦略的な地域づくりをめざして,新年度から具体的な検討に着手します。

議案の概要
今回,議案として提出いたしております2019年度(令和元年度)の企業会計の決算などについて,その概要を御説明申し上げます。
まず,病院事業会計についてです。市民病院は,国から大学病院に相当する医療機関として,DPC特定病院群に継続して指定されており,医療提供体制の更なる充実に取り組んでいます。2019年度(令和元年度)には,がんゲノム医療連携病院への選定を始め,緩和ケアセンターの開設,認知症ケアチームの発足など,更なる医療の質の向上に努めました。収支状況については,1,115万5千円の純利益を計上し,経常収支は12年連続の黒字となっています。引き続き,健全な経営を維持するとともに,地域医療をけん引する備後圏域の基幹病院としての役割を担っていきます。
次に,水道事業会計については,安心・安全な水を安定的に供給するため,基幹・重要管路の耐震化のほか,配水管網整備や中津原浄水場の監視制御設備など,施設の更新に取り組んできました。当年度の純利益として17億7,076万3千円を計上し,当年度末資金残高は約38億3千万円と前年度と同水準を維持したものの,いまだ企業債残高は約363億円となっていることから,更なる経営基盤の強化に取り組みます。
工業用水道事業会計については,引き続き純利益を計上しており,今後とも,地域産業の発展を下支えします。
下水道事業会計については,汚水の処理による快適な生活環境を確保するとともに,雨水を速やかに排除して浸水被害を軽減するため,汚水幹線築造や新涯ポンプ場ポンプ設備整備,管渠の耐震化などに取り組んできました。今後も,市街地の内水排除対策を強化し,豪雨などの自然災害への備えを万全なものとしていきます。

次に,補正予算案について申し上げます。この度は,一般会計と病院事業会計の2会計で補正をお願いしています。
まず,新型コロナウイルス感染症対策としては,出生児特別定額給付金を創設するとともに,キャッシュレス決済による消費喚起キャンペーンを拡充します。7月の大雨による被害に対応するため,被災した道路や河川などの復旧を行います。企業や個人などからの御寄附を活用した学校図書館の環境整備のほか,来月からのロタウイルスワクチンの定期予防接種化にも対応いたします。
また,子ども未来館構想についてはその調査・研究費を,市民病院の機能強化については本館等増改築に向けた基本設計の債務負担行為をそれぞれ計上いたしております。
以上の結果,今回の補正予算額は,一般会計で16億4,477万1千円の追加となりました。

決算及び予算以外の議案としては,条例案として「福山市税外収入金の督促及び滞納処分条例等の一部改正について」など2件,その他の議案として「福山市次期ごみ処理施設建設工事請負契約締結について」など13件を提出いたしております。

おわりに
夏場の感染のピークは越えたとはいえ,今も連日多くの新規感染者が国内で発生しています。
今から100年以上前,ペストのパンデミックから世界を救ったのが,近代日本医学の父とも言われる北里柴三郎です。当時,見えざる敵であった病原菌に対し,仮説に基づく研究によって,ペスト菌の早期発見につなげました。また,「破傷風菌の純粋培養は不可能である」という当時の学説を覆し,世界で初めて破傷風菌の純粋培養に成功しました。そして,学問的な成果に満足することなく,直ちに破傷風の治療法の研究に突き進み,血清療法も開発しました。こうした飽くなき探究心と研究への熱意が,ペストという感染症の克服につながったことは間違いありません。
市政運営においても,常に将来を予見し,不断にチャレンジしていくことが重要であります。私は,今後策定予定の「(仮称)福山市みらい創造ビジョン」の実践に休むことなくチャレンジしていきます。
また,初心に立ち返り,改めて現場主義を徹底し,市民の声に耳を傾ける行政を進めます。従来の車座トークに代わり,幅広い層の市民から市政に対する考えを伺うモニター制度を創設します。あわせて,支所の広聴機能を強化し,丁寧に地域の声を聴いていきます。届いた声を政策に生かすため,(仮称)地域活性化会議を年内に設置します。
備後の中核都市としての責任と役割は引き続き果たしていかなければなりません。ポストコロナの時代を見据え,社会経済の変化,自然災害や感染症などのリスクにも的確に対応することが求められています。広域連携を一層強化し,圏域の一体的な発展をリードしてまいります。
一日も早く「新たな日常」を確立し,市民一人一人の「安心」な暮らしと「希望」がかなえられる都市の実現に全力で取り組んでまいります。

 

本文は,口述筆記ではありませんので,表現その他に若干の変更があることがあります。

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