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【日本農業新聞】直売所?いいえ調剤薬局です 農産物販売、健康考え提案も 広島で実証始まる/2022年11月26日

【日本農業新聞】

2022年11月26日
調剤薬局で農産物を販売する取り組みが広島県内で始まった。中山間地域の農業ビジネス創設を目指す広島市の一般社団法人「農LAB.よつば」が発案。店舗に販売棚を設けて県産野菜などを供給・販売する。6月から実証しており、来年度から本格展開を目指す。店舗では健康の観点から農産物の提案もしており、新たな販路の開拓につなげる。(西野大暉)

同法人は新規就農者支援なども計画し今年発足。「薬局DE(で)野菜」と名付けた今回の取り組みが最初の事業となる。代表を務める三次市の農家、藤谷祐司さん(37)を中心に発案し、農家の所得向上などを狙う。商品は現在、藤谷さんを含め10件の県内農家がネギやホウレンソウ、柿を供給する。

個人経営の店が多い調剤薬局側にも、大手チェーン店と差別化できる利点がある。広島市の調剤薬局、あいおい橋薬局で実証する。農産物を保冷できる陳列棚などを設置し、店舗の営業日に加工品を含む10種類以上を並べる。1カ月当たりの売り上げは平均約6万円で、トマトなど機能性表示食品を並べた8月には最高9万8000円を売り上げた。

同店の管理薬剤師が来店客の相談に応え、健康を考えて農産物などを薦めることもある。同店によると主に同じ建物の病院に通う60~80代の主婦が立ち寄り「薬局に置いているから、野菜も信頼できる」と好意的だ。

同法人にも加わる、広島市の医薬品卸売会社リンクメディカルダイレクトの石井佑弥代表は「処方箋がなくても気軽に入れる薬局をつくりたい」と話す。

農業者と異業種による新ビジネス創出を促す県事業の支援対象にも採択された。年度内には5店舗に広げる計画。交流サイト(SNS)での情報発信も進める。藤谷さんは「次世代が農業に憧れを抱くような事業に育てたい」と力を込める。


 

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